元オーディオショップ店員のイイネドットミー(@iine_me)です。
その2に続きましてALLEN&HEATHのDJミキサーXONE:92の修理日記です。
症状のおさらいから。
私のXONE92はドイツで購入したもの。
正規輸入品ではないので国内代理店の修理サポート対象外で高額な修理費用がかかります。
電源スイッチを入れても電源が入らず、ミキサーをドライヤーやストーブで温めると2時間ぐらいで電源が入る謎の症状です。
中身を開けてテスターで確認すると電源ユニットのところが壊れているようです。
電源ユニットは海外では販売されていて75ドル〜100ドルくらいの感覚です。
最初に問い合わせをしたアメリカのショップは日本への発送は対応していないとのこと。
↑ここまでが前回の記事。
記事の目次
電源ユニットの修理に挑戦
ここで私はあることを思いつきます。
もしかして、電源ユニットの基盤自体もなおせるんじゃないかなと。
いろいろ調べていると修理屋さんのブログらしきもので見つけました。
寒くなるとテレビの電源が入らなくなるというような内容でした。
そしてそれは電解コンデンサというパーツが壊れている症状なのだそうです。
コンデンサは寿命がくると頭のところか膨らんでくるそうです。
確認してみるといくつかあるコンデンサのうちの一つがわずかに膨らんでいました。
見た目で明らかに分かるほどではありません。
手で触ってみるとなんとなく他のより盛り上がってるかなってくらいです。
また、膨らんでいるコンデンサは上部に黒い汚れのようなものがありました。
きっとこれだと確信して、念のため電源が入らない状態からこのコンデンサ中心に温めて見ます。
するとやはり電源が入るようになりました。
あとはこの部品を交換するだけです。
しかし電気関係は何の知識もないのでどんなものがあるのか調べる必要があります。
コンデンサの種類を特定
とりあえずコンデンサに巻いてあるフィルムのようなものに書いてあることをそのまま検索してみました。
” Jamicon 120µF 63v ”
同じものは出てきませんでしたがJamiconはメーカーの名前だと分かりました。
120µF 63vは規格のようです。
しかしこれと同じものを選ぶ知識もなのでパーツ屋さんに電話して聞いてみました。
事情を話してこれと同じものありますか?
と聞いてみたらヒアリングして交換できるものを探して頂けました!
その時に聞かれたことは大体のサイズとフィルムのサイドにラインが入っているかです。
サイズは交換するときに基盤に収まるかどうかの確認です。
サイドにラインがあるかどうかはそれで+-の極性があるかどうかの確認ができるそうです。
私の機材のコンデンサにはラインがあったので極性のあるものと交換可能とのことでした。
そして教えていただいたのがこちらです。
取り寄せで5日ほどかかりましたがお値段なんと95円。
メール便で送っていただいたので送料込みで300円ほどでした。
コンデンサを交換
そして恐る恐るはんだごてを使ってコンデンサを交換してみます。
まずは裏側からもともとついているコンデンサの足の部分のはんだを温めます。
なかなか取れませんがはんだをゆっくり温めてコンデンサを左右にぐらぐら動かしていたらとれました。
そして基盤の穴にコンデンサの足?のような針金が出ているところを入れます。
この時に+-を間違えないように気をつけました。
もともとついていたコンデンサと新しいコンデンサのフィルムに点線が入っている向きをそろえるだけです。
↓これが針金を通して裏側から見た画像です。
作業中に抜けてしまわないように穴に通した後左右に折り曲げました。
あとははんだ付けして余分な針金をニッパーで切れば出来上がり。
ついにコンデンサ交換完了です。
一旦他の基盤とコネクターで接続して電源を入れてみると。。。
修理完了
電源が入りました!!
基盤を本体に固定してカバーもはめてネジ締めして修理完了です。
素晴らしい。
以前国内の代理店さんで修理していただいた時には正規輸入品じゃないので見積もりだけで1万円。修理代が5万円以上しました。
今回はなんと300円で復活です。
しかも自分の機材を自分で修理出来た喜びはすごいです!
また同じように壊れても直せるし意外とミキサーって単純な作りなのかなと理解することができました。
もちろん自分で作ったり改造したりする知識はありませんが、故障箇所を調べる→その部分を交換する。という流れは基本的にどこが壊れても同じなのかなと思います。
そして高額な修理代が300円で済んだことも嬉しいです。
今回の記事が私と同じような症状でxone92や他の機材などが故障してしまった方のお役に立てばさらに嬉しいです。
XONE92L 直送 ALLEN&HEATH XONE:92L
せっかくの機材も使い方次第で出る音は変わってしまいます。
スピーカーやアンプのポテンシャルを引き出すセッティングに関する記事をまとめましたので合わせてご確認ください。
皆様が良い音楽と過ごせますように。