スピーカースタンドのおすすめモデルと選び方

スピーカースタンドのおすすめ

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こんにちは。

元オーディオショップ店員のイイネドットミー(@iine_me)です。今回はスピーカースタンドのオススメをご紹介します。

スピーカースタンドのおすすめモデルと選び方

そもそもスピーカースタンドってそんなに重要なのでしょうか?

はい!

とっても重要で音にもかなり影響します。ブックシェルフスピーカーには必ず必要なアイテムです!自作したりブロックで代用したりする方もいますがなるべく効果の高いものを使いたいですね。

この記事ではスタンドの効果と選び方、おすすめのスピーカースタンドをご紹介します。

スピーカースタンドの効果とは?

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スピーカースタンドには様々な効果があります。

よくツイーターは耳の高さに合わせるのが良いと言われます。スタンドには高さを合わせる効果もありますがそれだけではありません。

床からの高さを稼ぐ

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スピーカーから出る音は空気の振動です。空気はユニットを中心に水の波紋のようなイメージで広がります。

実際には球体のように振動は広がるのでスピーカーの上下前後左右に音は広がっています。そして天井、壁、床に反射して耳に入ります。スピーカーを床からある程度離さないとスピーカーからの直接音と、床からの反射音が混ざってしまいます。

結果として低音がだぶついたり高域の明瞭度が下がったりします。

同じ理由でデスクの上に高さの低いスタンドを置くのもおすすめしましせん。デスクトップオーディオの場合もできればデスクの横にスタンドを置きましょう。

もしくはデスク上に高さの低いスタンドを置くだけでもスピーカーを直置きするより音質は改善されます。

ポイント

音は空気の波紋。耳に届くまでに余計な反射はなるべく減らす

振動を抑制する

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また、重量のあるスタンドを使用することでスピーカーの振動が床に伝わるのを回避し余計な音を出さないような効果もあります。

制振材が使われているスピーカースタンドもあり、振動自体を抑制し付帯音を抑えてクリアなサウンドを実現します。

トールボーイスピーカーにはスタンドは不要ですが制振、音質アップの目的ではオーディオボードがおすすめです。

おすすめオーディオボード8選の記事はこちら

ポイント

不要な振動を抑制しクリアなサウンドを取り出す

スピーカースタンドの素材による違い

スピーカースタンドは木製、鉄製、ガラス製など様々な素材で作られています。

もちろん材質によって音の方向性が違います。それぞれの特性を見ていきましょう。

木製

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木製と言ってもいろいろな木があります。

単純に説明すると重い木は響きにくく軽い木は響きやすいです。ある程度の重量があるものでないと安定感がなく締まった音が鳴りません。

塗装など表面の仕上げによっても音が変わります。

金属のものに比べると柔らかい音になり音の輪郭はぼやけてしまいますが響きの良い木製スタンドを使うことによって美しく広がりのあるサウンドになります。

ポイント

木製のスタンドは柔らかめのサウンド。質の良いものを選びたい。

金属製

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金属製のスピーカースタンドを使うことによって引き締まったクリアなサウンドを得られます。

ものによっては金属特有の響きがのってしまうものもあります。

それが良い方向に出れば良いですが基本的にはあまり好ましくないので何かしらの振動対策(制振)が施されたスタンドが多いです。

しっかりしたものを選べば付帯音の無い透明感のある引き締まったサウンドになります。

ポイント

スタンドの定番は金属製。振動対策が施されたものを選びましょう。

TAOC(タオック)のスピーカースタンド

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TAOCは、自動車部品の製造などを手掛けるアイシン高丘株式会社のオーディオ製品部門のブランド名です。

アイシン高岳株式会社のメイン事業は自動車用鋳鉄部品の製造で日本一の生産量を誇るそうです。鋳鉄の扱いでは世界レベルの企業ですね。

鋳鉄(ちゅうてつ)とは

TAOCの製品のベースとなっているのが「鋳鉄(FC)」の存在です。

鋳鉄とは鉄のことですが含まれる炭素の量によってその呼び名が変わります。炭素量約0.02%未満が鉄、約0.02から2.14%が鋼、2.14%を超えると鋳鉄になります。

鋳鉄の中でも炭素の状態によって様々な呼び名があるようですが特に炭素の量が多くなると黒鉛(グラファイト)が晶出します。黒鉛は鋳鉄の中で花弁が重なったような構造になっており、黒鉛と鉄の摩擦により振動の減衰が早まります。

振動の吸収だけれあれば樹脂やソルボセインなど様々なものが考えられますがオーディオには振動の「吸収」だけでなく「遮断」の要素も重要です。振動の遮断には密度が高く比重が大きなものが適しています。ゴム系の素材ではこの部分において不足が出てしまします。二つの相反する要素を同時に可能するのが鋳鉄という素材になります。

TAOC BSTシリーズ

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出典:www.taoc.gr.jp/

TAOCのスピーカースタンドのベーシックモデルがBSTシリーズです。

ESTというモデルがエントリークラスの定番でしたが長年の経験をもとにブラッシュアップされたモデルです。

天板はESTシリーズから継続して二重板構造が用いられ鋳鉄粉入りの支柱も健在です。天板の角にはポロンシートという高密度で微細、緻密なセル構造を持つウレタンフォームが新たに採用されました。これによりスピーカーとスタンドの密着性が上がりエンクロージャーからの振動を程よく吸収します。

前モデルからの進化ポイントとしては支柱が四角柱だったものを円筒系にし音の響きに奥行きが出たとの事。支柱には鋳鉄の粉が入っており、スタンドの共振を防ぎ付帯音を減らします。鉄粉の量も響きを殺しすぎないよう調整されており締りの良いクリアなサウンドが魅力的です。

鋳鉄製のスパイク受けもセットになっておりトータルでサウンドチューニングが施されています。
さらに支柱の高さは50cm/60cm/70cmの3種類、天板の大きさはM(160×230mm)/L(190×270mm)の2種類が用意され合計6パターンからリスニング環境や機材に合わせて選ぶことが出来ます。

私も以前のモデルのEST-60HLを使っていましたが自分の環境ではもう少し高さが欲しいと思っていたのでこのラインナップは助かる方が多いのではと思います。ペアで3万円台という価格を考えると非常にコストパフォーマンスの高いモデルです。

ポイント

鋳鉄粉でずっしりと重く振動を熱エネルギーに変換します

TAOC HSTシリーズ

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TAOCのスピーカースタンドのフラッグシップモデルです。

4本のがっちりとした脚の中には鋳鉄粉が適量入れられチューニングされています。

その中央にある短い振動子が振動を吸収し逃がす役割です。4本の支柱は太いものと細いものが2本づつ用意されており、その前後や角度を変えることでさらに細かいサウンドチューニングが可能です。

美しい響きの木製スタンドも魅力的ですがHST-60HBの透明感、静けさの表現はスピーカーの本来のパフォーマンスを発揮させるベストな選択の一つだと思います。

ポイント

スピーカー本来の能力を生かしきるTAOCのトップモデル

HAMILEX(ハミレックス)のスピーカースタンド

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出典:https://hamilex.hayami.co.jp/

木製で安価なスピーカースタンドならハヤミ工業のHAMILEX(ハミレックス)です。

ハミレックス事業ではテレビやディスプレイ、プロジェクターのスタンドや天吊り金具の他、テレビラックやリビングボードなど幅広い製品を取り扱っています。

オーディオラックやスピーカースタンドも安価で手の届きやすい価格帯なので初心者の方やとりあえずスタンドを探しているという方にはおすすめです。

特に安価なラインは自作でスピーカースタンドを作るよりも断然安いと思えるような価格設定です。

共振対策や響きの調整などはされていないようなのでリスニングポイントの高さを合わせるをいう効果しか期待はできないと思いますが棚の上や床置きなど設置環境が良くない場合にはスピーカースタンドを導入することで大幅な音質改善が期待できます。

TIMEZ(タイメッツ)NX-B series(エヌエックスビーシリーズ)

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出典:https://hamilex.hayami.co.jp/

NX-Bは一番ベーシックで安価なシリーズのスピーカースタンドです。

HAMILEX(ハミレックス)の中にはさらにTIMEZ(タイメッツ)というブランドが存在しNX-BはTIMEZブランドとして取り扱われています。

なんとその価格はペアで5000円程度~と信じられないほど安価です。

高さ150mmの「NX-B300S」、450mmの「NX-B300」、600mmの「NX-B300T」の3種類のラインナップ。

一番低い「NX-B300S」はスペース的にデスクトップやテレビボードの上にスピーカーを置かなければいけない場合にも使えそうです。

HAMILEX(ハミレックス)SB series(エスビーシリーズ)

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出典:https://hamilex.hayami.co.jp/

SBシリーズはHAMILEX(ハミレックス)ブランドの中でもベーシックなブラックのモデルです。

天板の大きさがS/M/Lの3種類。S/Mサイズは高さが2種類あり合計5種類のラインナップです。

小型スピーカー向け

小型のスピーカーに対応する天板サイズ(幅 280 × 奥行き 320mm)では高さ600mmの「SB-965」と高さ700mmの「SB-967」があります。

中型スピーカー向け

天板のサイズが少し大きく(幅 350 × 奥行き 320mm)なると高さ400mmの 「SB-981」と500mm「SB-983」があります。

これくらいの大きさがあればミドルサイズのスピーカーにも対応できます。往年の名作「YAMAHA NS1000M 」(幅 375 × 奥行 326mm)より一回りだけ小さいイメージですね。

JBL4312G(幅 362 × 奥行 298mm)などはバランスが良さそうです。

大型スピーカー向け

最後に天板の一番大きな「SB-991」(幅 450 × 奥行き 380 × 高さ 400mm)ですがこれなら横幅のかなり大きなスピーカーでもしっかりマウントできます。

幅広いラインナップが嬉しいですね。

HAMILEX(ハミレックス)Jolt series(ジョルトシリーズ)

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出典:hamilex.hayami.co.jp/

Jolt(ジョルト)シリーズはオーディオラックも用意されているのでスピーカースタンドとオーディオラックのトータルコーディネートが可能です。

支柱には砂や防振素材を充填して響きを調整することができます。

高さ418mmのSB-411と高さ568mmのSB415、センタースピーカー用の SB-410のラインナップがあります。

左右ペア売りで2万円以下から購入できる非常にお値打ちなスピーカースタンドですが振動対策ができるので他のHAMILEXのスピーカースタンドと比べて音質面では有利です。

ポイント

木製スタンドのデメリットの付帯音を調節できるスタンド

KRIPTON スピーカースタンド SD-1

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木製スピーカーですがしっかりと振動対策が施されています。

無垢材の支柱と鉄球サンド入りのオーディオボードの組み合わせです。自然な美しい響きと透明感のあるサウンドが魅力的。見た目も美しいマットなウレタン塗装です。

金属製のスタンドほど響きを抑制したくない場合はおすすめの選択肢です。

ポイント

不要な振動は抑えつつ響きも殺しすぎない

KRIPTON スピーカースタンド SD-5

 

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SD1と同じくKRIPTONの木製スタンド

無垢材の支柱とベース部は鉄球サンド入りのオーディオボード。さらに支柱には鉄芯が入っています。

重量は10kgとずっしりと重く剛性・制振性にも優れています。TAOCのように響きを消す方向ではなく美しく響かせるスタンドです。

木製と金属製のメリットデメリットをあげると

木製 <メリット>美しい響き <デメリット>音がぼやける

金属製 <メリット>引き締まる <デメリット>ドライすぎる

両者メリット=デメリットのようになります。SD-5は両者の良い所を併せ持つバランスの良いスタンドです。

ポイント

ハイブリット型の進化したスタンド

まとめ

スピーカースタンドはなかなか買い替えるものではありません。

そして音質に非常に影響するアクセサリーです。

安価なもので済ませるのは本当にもったいないので信頼できるメーカーのしっかりしたものを使いましょう。

スピーカーは買い替えてもスタンドはそのまま使えることが多いので初めから良いものを購入されるのがベストだと思います。

ただし好みの音、部屋の音響、使用する機材などによって組み合わせを考えることも重要。それぞれの特性を理解したうえで最適な選択をするようにしましょう!

他にも機材のポテンシャルを引き出すセッティングに関する記事をまとめましたので合わせてご確認ください。

皆様が良い音楽と過ごせますように。