初歩的な部分から解説し、これを読めばスピーカーに関しては全て理解できるというような内容にしています。中級者の方は目次から必要な部分までジャンプしてください。
記事の目次
スピーカーのおすすめ13選【2022年】元オーディオショップ店員がセレクト
「スピーカー おすすめ」などのキーワードの検索上位には、おそらく試聴もせずに書かれたまとめ記事や、外注ライターの方が書いたようなランキングも多く表示されていて残念です。(もちろん全てのサイトがではないです。音を聴いて誠実にコンテンツを作られているサイト様がたくさんあります。)
検索キーワードから推測される意図はスピーカー購入の為の情報収集が多いかと思いますが、せっかくならオーディオを愛し、音楽を愛する者の意見が届けばと思いしっかりしたまとめ記事にしました。
特にオーディオ初心者~中級者の方のスピーカー選びの参考になれば幸いです。
スピーカーの種類や方式など細かくまとめているので先におすすめのスピーカーが知りたい方は目的に応じて上の目次からジャンプしてください。
スピーカーの種類(方式)
スピーカーについての多くの部分を理解できるような記事を目指していくのでまずはスピーカーの種類を紹介していきます。
アクティブスピーカーとパッシブスピーカー
スピーカーの駆動方式には2種類あり、それがアクティブスピーカーとパッシブスピーカーです。
アクティブスピーカー
アクティブスピーカーとはアンプ内蔵のスピーカーで、スピーカー自体に電源が必要です。例えば小型のBluetoothスピーカーはアクティブスピーカーでバッテリー内蔵ですね。他にはレコーディングスタジオで使われるモニタースピーカーも現在の主流はアクティブスピーカーです。
モニタースピーカーにアクティブスピーカーが多い理由としては、アンプ内蔵なのでスピーカーとアンプの組み合わせによる相性を気にする必要が無い為です。トータルでサウンドチューニングされているのでフラットで正確な再生が求められるモニタースピーカーではアクティブスピーカーが人気です。
パッシブスピーカー
パッシブスピーカーとはスピーカーの他にアンプが必要なスピーカーで、アンプとスピーカーの間はスピーカーケーブルというケーブルで接続されます。ミニコンポのスピーカーやピュアオーディオと呼ばれる単体スピーカーがパッシブスピーカーですね。
パッシブスピーカーは自分の好みのスピーカーとアンプを組み合わせることができるので趣味的要素も強いスピーカーだと思います。
アンプ内蔵タイプがアクティブスピーカー
フルレンジスピーカー
フルレンジスピーカーとはフル(全て)レンジ(帯域)というように一つのユニット(ウーファー、ツイーターなどと呼ばれる振動版)のみで構成されるスピーカーです。
現在のスピーカーの主流はユニットを複数持つ2WAY(ツーウェイ)や3WAY(スリーウェイ)という構成ですがそれぞれにメリットとデメリットが存在します。
フルレンジスピーカーのメリット
一か所から全ての周波数の音が同時に出るので空間表現力に優れる。
例えばボーカルやバスドラム、ベースなどが左右のスピーカーの中心にビシッと配置されているのが良くわかります。これを「定位(ていい)が良い」と言います。
一か所から音が出ることはオーディオの理想とされ、点音源(てんおんげん)と表現します。
フルレンジスピーカーのデメリット
一つのユニットでカバーできるレンジが狭い。
音とは空気の振動ですが、振動が細かく早いほど高い音、振動が大きくて遅いほど低い音になります。スピーカーユニットも大きなものほど低い周波数、小さなほど高い周波数の再生が可能になります。
大太鼓と小さな手持ち太鼓の音を想像してもらえればなんとなく理解できると思います。
フルレンジスピーカーは多くの場合10㎝から16cm程度の比較的小さなユニットが使われます。低音を出すための工夫が施されていますが、やはり一つのユニットで再生可能な周波数レンジは無限ではなく、低域も高域も伸び切らず不利になります。
フルレンジスピーカーがおすすめのシーン
比較的スピーカーとリスニングポジションが近かったり部屋が広すぎない場合にはフルレンジスピーカーの特性が生かされます。
近年デスクトップオーディオと呼ばれるPCを中心としたオーディオ環境が盛り上がっていますがそのような用途にはとてもおすすめできるスピーカーです。そのような使い方のスピーカーはニアフィールドモニターと呼ばれたりします。
定位が良いがレンジが狭め。ニアフィールドにおすすめ
マルチウェイスピーカー
ユニットが一つのフルレンジスピーカーに対して複数のユニットを搭載しているスピーカーをマルチウェイスピーカーと言います。
ユニットの数(種類)に応じて2WAYや3WAYスピーカーと言います。
2WAYの場合には低音を担当するウーファーと高音を担当するツイーターの2種類の音の通り道があります。
3WAYの場合はウーファー、ツイーターの他にさらに高音を担当するユニットがありスコーカーと呼ばれます。
複数のユニットでそれぞれが得意な周波数だけを再生するので全体の周波数レンジを広げることができます。フルレンジスピーカーに比べると、より低音から高音まで幅広い音の再生が可能になります。
マルチウェイスピーカーのメリット
複数のユニットで幅広い再生帯域をカバーすることができる。それぞれが別の周波数を受け持つので別々の振動が影響することによる歪が起きにくい。
マルチウェイスピーカーのデメリット
高い音と低い音が別の場所から再生されているのでスピーカーに近づきすぎるとそれぞれのユニットから耳までの距離の差が生まれて定位(ていい)が悪くなったり空間表現が曖昧になることがある。
マルチウェイスピーカーがおすすめのシーン
マルチウェイと一口に言っても小型の2WAYスピーカーと大型の3WAYや4WAYスピーカーでは全く特性が異なります。部屋の大きさに合ったサイズのスピーカーを選ぶことで定位の問題は気にならない程度になると思います。
また、現在のスピーカーの主流と言える方式なので豊富な選択肢から選べるのもメリットです。
低音から高音まで幅広い周波数を再生することができる
同軸スピーカー
フルレンジスピーカーとマルチウェイスピーカーの良いとこ取りをしたような方式のスピーカーが同軸スピーカーです。
「同軸」とはつまりウーファーとツイーターの中心が「同じ軸上」に配置されたという意味です。
同軸スピーカーのメリット
メリットとしてはフルレンジスピーカー的な定位の良さとマルチウェイ(2WAY)スピーカーのレンジの広さがあげられます。
同軸スピーカーのデメリット
理論的にはデメリットは無いように思えますが実際には各ユニットの振動が影響しあったりと設計が難しいので同軸方式を採用しているメーカー自体があまり多くはありません。同軸にこだわってスピーカーを選ぶには選択肢が少し限定される場合があります。
同軸スピーカーがおすすめのシーン
同軸スピーカーはメーカーこそ多くはないものの小型のものから大型のものまでいろいろなスピーカーがあります。音の傾向が好みに合えば定位の良さとレンジの広さを兼ね備えたサウンドが手に入ります。
点音源の定位の良さと再生周波数レンジの広さを両立
スピーカーの種類(利用シーン)
スピーカーにはいろいろなタイプがあり、利用されるシーン毎に求められる音作りも異なります。
Bluetoothスピーカー
PCやスマホとBluetoothで接続ができるスピーカーは持ち運びも想定した比較的コンパクトで充電式のバッテリー内蔵のアクティブスピーカーが主流です。
近年非常に人気のジャンルで家電量販店などでも大きくコーナーがとられています。
スペースを取らず、気軽に持ち運べて音楽が楽しめるのが魅力です。
おすすめのbluetoothスピーカーの記事はこちらです。
TV用スピーカー
TV用のスピーカーとして想定されているものにもまたいくつかの種類があります。
サウンドバー(シアターバー)
これはテレビやBDプレーヤー、ゲーム機などが接続できるようにHDMIの入出力端子が用意されています。また、Bluetooth接続に対応しているものもあります。
バーチャルでサラウンド効果を再現していたりと各社様々な工夫を凝らしています。
TVの音質を手軽にアップさせてスペースもとらずスッキリとした見た目なのでインテリア的にも良いですね。
元オーディオショップ店員がおすすめするサウンドバーの紹介記事はこちらです。
ラック型スピーカー
TVラックにスピーカーが搭載されたタイプもあります。いろいろあるようですが専門外なので音質、使い勝手など不明です。
サラウンドスピーカー
AVアンプと組み合わせて5.1chや7.1chなどマルチチャンネルで再生するためのスピーカーシステムです。
5.1chの場合はフロント左右、リア左右、正面中央のセンタースピーカーで5ch。そこに低音だけを再生するサブウーファーの0.1chを組み合わせた構成となります。
プロジェクター、スクリーンと合わせてホームシアターが楽しめます。
TV用スピーカーにも用途に合わせて選択肢があります
PAスピーカー(SRスピーカー)
ライブ会場などで使われる大音量を想定したスピーカーです。価格も様々でサウンドもそこそこなものから極上のものまであります。
EVやJBL,YAMAHAなどをよく見かけますが個人的にはNEXOやMaster Blaster / Sound Projectsのスピーカーが最高に好みです。
特にMaster Blasterは一般的なPAスピーカーがピーキーで耳に刺さるものが多い中、適度な艶も感じられる珍しいサウンドだと感じています。PAスピーカーも奥が深いですがこのブログでは専門外となります。
大音量、広い空間で力を発揮するスピーカー
モニタースピーカー
レコーディングスタジオ、マスタリングスタジオ、自宅スタジオ(DTM用)やDJブースなどで使われるスピーカーです。
特徴としては正確に音をモニタリングするためにフラットなチューニングを目指して作られているということです。
昔のスタジオはYAMAHAのNS10Mというパッシブスピーカーが多く、15年位前にはアクティブスピーカーのGENELECが増えてきて今はいろいろなメーカーのものが使われている印象です。
フラットなモニタースピーカーと言いつつもちろんスピーカーによって音が違います。
全体的にドライな質感で私は製作用に長年GENELECの8040A(ペア20万円台)を使っていましたがオーディオ用のスピーカーを購入した際に艶のある高音に感動しました。
音楽を楽しく聴かせるオーディオ用のスピーカー(ピュアオーディオ)と音楽制作時に正確なモニタリングをするためのモニタースピーカーといった感じです。
リスニング用にモニタースピーカーを使ってももちろん問題ないですが、モニタースピーカーが音楽を楽しく聴くために一番適しているとは私は思いません。制作時に行う細かい処理が正確に反映されることを目的としているスピーカーなので必ずしもそれが聞き手の好みにマッチするとは限らないからです。
しかし製作者にとっては必須のアイテムです。
スタジオワーク用にチューニングされたスピーカー
ピュアオーディオ用スピーカー
ここではミニコンポのセットになっているようなスピーカーではなくホームオーディオ用の単品スピーカーのことを他のスピーカーと区別するためにピュアオーディオとします。
ステレオ2chでの再生を楽しむもので安価なものからハイエンドスピーカーと言われる数千万円のスピーカーもあります。サイズも小型のスピーカーから大型のものまで様々な選択肢があります。
見た目にもこだわったものが多く、インテリアとしても映えるし自宅で使うならこのジャンルがおすすめです。
種類が多いので選ぶのも楽しい反面大変ですがこのブログでメインに扱っているスピーカーなので参考にしていただければ幸いです。
ピュアオーディオ初体験の話(余談)
私は長年楽曲制作、レコーディング、DJという業界にいたのでスタジオ系モニターの音が一番良い音だと思って過ごしてきました。そして高級オーディオの価格は高すぎる、そんな価値があるはずないとすら思っていました。
しかし本気のオーディオルームで本気のオーディオ機器から流れる音を体験したときにその価値観は一瞬で吹き飛びました。
今でも鮮明に覚えていますがオーディオショップの面接に行きその場で採用していただいた後せっかくだからと一曲かけてもらいました。
結果は、、、ほんの数秒で涙が流れました。
今まで自分が知っていると思っていた音楽、音響の世界がいかに狭かったかを思い知らされると同時にオーディオの魅力の虜となりました。
モニタースピーカーがありのままを再生すること(原音再生)を目的とするなら「リアル」がゴールです。
ピュアオーディオは原音を超え「別世界、異世界」へと連れていくことがゴールです。
それは録音、再生というものを通して生み出される芸術であり生音を超え魂が震えるような体験ができるものもあります。
そして価格が高いものに良いものが多いのも事実ですが、必ずしも高いほうが音が良いとも言えないのが難しくもあり面白いところです。
私のおすすめするスピーカーの基準の中には常にコストパフォーマンスが含まれています。
「安くて良い音」これが最高です。
価格、デザイン、音質のバリエーションが豊か
スピーカーの種類(大きさ、形状)
ブックシェルフスピーカー
小さめのスピーカーでスタンドや棚に置いて使われるスピーカーです。
一般的にスピーカーと言われてイメージする形状がブックシェルフスピーカーです。
ブックシェルフ(本棚)という名前がついていますが本来はスピーカースタンドに設置することでポテンシャルが発揮されます。
大型のスピーカーに比べて定位も良く小さめの部屋でも扱いやすいスピーカーです。
一番選択肢が豊富で一般的なスピーカー
トールボーイスピーカー
背が高く横幅が狭いタイプのスピーカーです。
スタンド無しで直接フロアに設置するためフロアスタンディングタイプとも言われます。
フロアスタンディングスピーカーの中には横幅も大きく高さがあまりないタイプもありますが特に縦長のものをトールボーイスピーカーと呼んでいます。
ブックシェルフスピーカーに比べて豊かな低音と音が広がる空間(音場)が広いのが特徴です。6畳や8畳ほどの部屋では持て余すこともありますが広めのリビングなどではその力を発揮します。
また、ホームシアターシステムのフロントスピーカーとしても人気のタイプです。
背の高いスピーカーで広めの部屋におすすめ
スピーカーに関する知識(スペックの見方)
スピーカーのカタログを見ると必ずスペックの記載があります。
この項目ではそれぞれの言葉の意味をなるべく簡単に説明していきます。
インピーダンス(Ω/オーム)
スピーカーやアンプのスペックを見るとインピーダンスという言葉が出てきます。
インピーダンスとは抵抗のことで「Ω(オーム)」という単位で表され、アンプからスピーカーへと流れる電流を制限するものです。
抵抗が大きくなれば電気が流れにくく、小さいほど流れやすいです。結果として抵抗が小さいほど出力が小さなアンプでも大きな音量を出すことができます。
インピーダンスは音質を判断する基準ではなく、アンプとの組み合わせにおいて気にする数値です。アンプにもインピーダンスの記載がありますが、スピーカーと同じかアンプのインピーダンスが小さくなるようなものを選びます。
これはスピーカーの抵抗が小さく、電流が流れすぎてスピーカーやアンプを破損してしまうことを避けるためです。
しかし一般家庭で音楽を楽しむレベルの音量でスピーカーやアンプが壊れることは考えにくいのでそれほど神経質になる必要はありません。
また、一般的なプリメインアンプは4~8Ωに対応したものが多く、スピーカーは4Ω以上のものが多いので組み合わせられないものというのも滅多にありません。まずは言葉の意味として理解できていれば大丈夫です。
インピーダンスとは抵抗のこと。一般的なプリメインアンプとスピーカーの組み合わせなら問題ない。
能率(db/デシベル)
スピーカーの能率(感度)とはアンプから1ワットの信号を流した時にどれくらいの音量が出るかを表した数値で、「db(デシベル)」という単位で表されます。
単純に数字が大きいほどアンプの出力が小さくても大きな音量が出ます。
市場には80db以下のものから100db以上まで様々な能率のスピーカーがあります。能率が高いほど音が良いという訳ではなく単純に同じアンプの出力で取り出せる音量が違うというだけです。
スピーカーは能率だけでチューニングされているわけではないので最終的に音を聴いて判断することが大切ですが比較試聴の際には注意点があります。
能率の違う二つのスピーカーをセレクターで切り替えて比較する場合には能率の高いスピーカの音量が大きくなります。
音量が大きいほど迫力を感じたり音が良く聞こえてしまうので、音質比較の際には聴感上のボリュームを揃える必要があります。
本来のポテンシャルは高いのに能率が低いため比較時の音量が小さく、店頭試聴で本来の能力が伝わらないスピーカーもあるので要注意です。
能率が高いスピーカーはアンプのボリュームが同じでも大きな音が出る。
周波数特性
スペック表には周波数特性という項目があります。
これは低い周波数から高い周波数までどれくらいの範囲の音を再生できるかということです。
全ての帯域をフラットに再生できるスピーカーはないので、「48Hz~28kHz(±3db)」などの形式で記載されます。
これは48Hz(ヘルツ)から28kHz(キロヘルツ)までの周波数は±3デシベルの誤差で再生できますという意味です。
これ以上、以下の周波数は全く再生されない訳ではなく、カーブを描きながらボリュームが減衰していきます。
人間の耳には20Hzから20KHzまでしか聞こえないといわれていますが実際に音を感じるとそんなことはないと思うことが多くあります。
これも数値上優れていたら音が良いとは言い切れないので参考程度にして自分の耳を信じるのが良いと思います。
一定のボリュームで再生可能な周波数を表した数値
クロスオーバー周波数
クロスオーバー周波数とはツイーターとウーファーなど複数のスピーカーユニットを持つマルチウェイスピーカーにおいて、それぞれのユニットにどの周波数までの再生をさせるかという数値です。
例えば2WAYスピーカーでクロスオーバー周波数2,400Hzといえば2,400Hzを境にツイーターが高域、ウーファーが低域を再生しています。
もちろんトータルでスピーカーの設計をしているのでそのクロスオーバー周波数のみでサウンドを判断することはできません。
複数のユニットが担当する周波数の境界線
おすすめのスピーカーメーカー(ピュアオーディオ)
まずはおすすめのスピーカーメーカー(ブランド)一覧です。
イギリスのメーカーが多くなりましたが狙ったわけではなく単純に優れたブランドが多いということです。
ここに紹介するものが全てではありませんが比較的購入しやすいラインナップが用意されているメーカーを中心にご紹介します。
B&W (Bowers & Wilkins バウワース アンド ウィルキンス) / イギリス
Bowers & Wilkins (バウワース アンド ウィルキンス)はイギリスの老舗スピーカーブランドで、1966年にB&W ELECTRONICSとして設立されました。通常B&W(ビーアンドダブリュー)と呼ばれます。
当初からスピーカーコーンの素材にケブラーを使用し、2015年にシルバーのコンティニュアムコーンへと置き換わるまで黄色いケブラーコーンが長年のトレードマークでした。
数万円のエントリーモデルから数百万円のハイエンドモデルまで様々なラインナップが用意されています。
多くのオーディオファン憧れのブランドです。
MONITOR AUDIO (モニターオーディオ) / イギリス
MONITOR AUDIO(モニターオーディオ)はイギリスで1972年に創業したスピーカーブランドです。
フラッグシップのPlatinum Series(プラチナムシリーズ)では300万円台のものもありますが数万円のエントリーモデルもあります。
低価格なものもバランスが良く人気のブランドですがsilverシリーズから上のモデルになるとハッとするような美しい高域が楽しめます。
近年非常に実力を感じるメーカーです。
Wharfedale (ワーフェデール) / イギリス
Wharfedale(ワーフェデール)は1932年に創業したイギリスのスピーカーブランドです。
コストパフォーマンスに優れた製品が多い印象で、同じ価格帯の他社スピーカーと比べると音質面で上回っていることがよくあります。
価格帯的にも買いやすいものが多くあります。
TANNOY (タンノイ) / イギリス
TANNOY(タンノイ)は1926年創業のイギリスの名門スピーカーブランドです。
日本のオーディオブームでも憧れの存在として君臨し続けたメーカーです。
独特の存在感と同軸ユニットの技術で他のメーカーでは代わりが効かないスピーカーです。
Cambridge Audio (ケンブリッジオーディオ) / イギリス
Cambridge Audio(ケンブリッジオーディオ)は1968年設立のイギリスのオーディオメーカーです。
スピーカーだけでなくプリメインアンプなども制作しています。安価な製品が多く初心者におすすめのメーカーです。
スピーカーも低価格ですがセッティングをしっかりするとそれなりに反応してくれるので趣味のオーディオとしての楽しみはしっかりとあるように感じます。
KEF (ケーイーエフ) / イギリス
KEF(ケーイーエフ)は1961年にロンドン南東のケント州で創業したスピーカーブランドです。
ケント・エンジニアリング&ファウンドリーという会社の構内に工場が設立されたため頭文字からKEFとなったそうです。
KEFも独自の同軸ドライバーを開発しておりとても人気のあるメーカーです。
オーディオショップや量販店でよく見かけるラインナップは数十万円までの価格帯ですが2007年には100セット限定でペア1995万円のMUON(ミューオン)というスピーカーが発売され話題になりました。
FYNE AUDIO (ファインオーディオ) / イギリス
スコットランドにて2017年創立の新進スピーカーブランド。
とても新しいメーカーですが主要メンバーは元TANNOYのエンジニアや流通担当。
その設計技術は完全に熟成された領域に到達しています。
TANNOYと同じく同軸ドライバーを軸としてコストパフォーマンスに優れたモデルをリリースし非常に話題のメーカーです。
JBL (ジェイビーエル) / アメリカ
日本でも有名なJBL。アメリカのジェームス・B・ランシングにより1946年に設立されました。
民生機から業務用機器、カーオーディオまで非常に幅広いラインナップを持つ総合メーカーです。
最近ではbluetoothスピーカーやイヤホンも多くリリースしています。
独特なサウンドとJBLブランドで根強いファンが多いです。
おそらく誰もが一度は耳にしたことがあるスピーカーブランドだと思います。
ELAC (エラック) / ドイツ
1926年創業 ドイツのスピーカーブランド。
創業当初は潜水艦などで使われる軍事用ソナーを製造していました。
1945年の終戦とともにソナーの需要がなくなりそこからレコードプレーヤーやカートリッジを手掛けオーディオメーカーとして歩み始めます。
1980年代になりCDが出回りアナログレコードの市場に陰りが見え始めるとついにスピーカー事業へと参入します。
時代の変化に合わせて柔軟に対応できるのは企業としての生存能力が非常に高いことの現れですね。
高い開発技術を持ち、スピーカーもJETツイーターと呼ばれる特殊な形状を開発し、ハイスピードでリアルな高音域が特徴です。
FOCAL (フォーカル) / フランス
FOCAL(フォーカル)は1979年創業のスピーカーメーカーで現在はカーオーディオ事業にも参入しています。
美しいデザインとスピーカーにしては珍しいカラーリングもあり現代的な見た目とサウンドが特徴です。
仕上げが特徴的なものが多くアート作品のような佇まいが楽しめます。
数年前に輸入代理店が変わったタイミングで販売価格が下がり今は割安感があります。
DALI (ダリ) / デンマーク
DALI(ダリ)はデンマークのスピーカーブランドです。1983年設立で数々のヒット作をリリースしてきました。
こちらも数万円のエントリーモデルから100万円越えのモデルまで扱っています。
コスパに優れた買いやすいものから用意されており流通量も多いので家電量販店などでも展示してあることが多いです。
比較的安価なラインが良く売れている印象です。
Vienna acoustics (ウィーン アコースティクス) / オーストリア
Vienna acoustics (ウィーン アコースティクス) はクラシックの聖地 オーストリアのウィーンにて1989年に創業しました。
ベートーベン、モーツァルトなど作曲家の名を冠したスピーカーをリリースしています。
見た目や音に派手さはないですが渋さ溢れる外観と実力を持ち、クラシックだけでなく様々なジャンルの楽曲を心地よく奏でます。
Sonus Faber (ソナス・ファベール) / イタリア
Sonus Faber (ソナス・ファベール)は1980年にフランコ・セルブリン氏がイタリアで立ち上げたスピーカーブランドです。
自家ワイナリーに囲まれた静かで豊かな環境の中にある工房で一つ一つ手作りで制作されています。
艶やかで美しいサウンドとまるで工芸品のような仕上げでリビングに置くだけで上質な空間を演出してくれるスピーカーです。
FRANCO SERBLIN (フランコ・セルブリン) / イタリア
Sonus Faber (ソナス・ファベール)の創設者フランコ・セルブリン氏が独立し、自身の名をそのままブランド名にしたのがFRANCO SERBLIN (フランコ・セルブリン)です。
工業製品ではなく芸術品とも言えるような唯一無二の作品を生み出しています。
正直安いものはありませんがこんなものもあるのだということを知っていただければと思い紹介しました。
FOSTEX (フォステックス) / 日本
FOSTEX(フォステックス)は1973年に創業した日本の総合音響機器メーカーです。
スピーカーメーカーへスピーカーユニットを供給するOEMメーカーでもあります。
ユニットの精度は非常に高く自作スピーカーのパーツメーカーとしても多くのファンがいます。
完成品のスピーカーも高解像度かつスピード感のあるサウンドでハイクオリティーです。
YAMAHA (ヤマハ) / 日本
楽器やオーディオ機器のYAMAHA。
なんと1897年(明治30年)に日本楽器製造株式会社として創業し、120年以上の伝統があります。
1974年から1997年までに20万組以上出荷されたスピーカーNS-1000Mやスタジオモニターとして確固たる地位を築いたNS-10Mなど伝説的な名機をリリースしてきました。
ホームシアター系が強いですが近年オーディオ部門も盛り上がっています。
ECLIPSE (イクリプス) / 日本
ECLIPSE (イクリプス)はメーカー名ではなくブランド名です。
メーカーはデンソーテン(旧富士通テン)でタイムドメイン理論という理論に基づいた卵型のスピーカーを2001年から販売しています。
非常に定位が良く明瞭でリアルなサウンドが特徴的でホームシアターやニアフィールドモニターとしておすすめです。
価格別おすすめスピーカー(ピュアオーディオ)
ここからは価格別におすすめのスピーカーを紹介していきます。
人によって良い音の基準は違いますが、私が試聴して価格以上の価値があると感じたものをピックアップしています。
初心者の方が見られることを想定して5万円以下から20万円程度までのスピーカーに限定しています。
スピーカー選びの参考になれば嬉しいです。
予算5万円以下のおすすめスピーカー
DALI (ダリ) / OBERON1 (オベロン1) / 4万円台
まず最初におすすめするのがDALIのOBERON1です。価格は5万円ギリギリです。
初心者の方には高額に感じるかもしれませんが1万円以下や2万円台のものと比べるとハッキリ違います。
素直な音色で細かい表現力もあり上品さ、質の高さを感じます。2018年の発売から非常に人気のあるモデルです。
スピーカーは長く使えるものなのでできるだけ良いものを購入されると楽しいと思います。OBERON1はおすすめです!
スペック周波数レスポンス:51Hz ~26kHz(±3dB)
能率:86dB
公称インピーダンス:6Ω
推奨アンプ出力: 25W – 100W
高さ:274mm 幅:162mm 奥行:234mm
重量:4.2kg
カラー:ダークウォルナット / ブラックアッシュ / ライトオーク / ホワイト
Wharfedale (ワーフェデール) DIAMOND 11.0 / 3万円台
もう少し価格を下げて3万円台のおすすめです。
WharfedaleのDIAMOND11.0はOBERON1と比べるともう少し華やかな音に感じます。
量販店でも置いていないことが多くあまり売れている感じはないですがとても音質が良くコスパが良いです。
見た目も落ち着いた雰囲気で素敵です。
スペック周波数レスポンス:75Hz-20kHz(±3dB)
能率:85dB
公称インピーダンス:8Ω
推奨アンプ出力:15W – 75W
高さ:255mm 幅:155mm 奥行:165mm
重量:3.1kg
カラー:ブラックウッド / ローズウッド / ウォルナット
FYNE AUDIO (ファインオーディオ) F300 / 3万円台
ブックシェルフスピーカーですが広い音場と同軸ユニットによる定位の良いサウンドが楽しめます。
設計技術が素晴らしく、クリアな中高音が魅力的です。素直な音質で艶感や色付け感は少ないです。
こちらもコストパフォーマンス抜群なスピーカーです。
スペック周波数レスポンス:54Hz ~28kHz(±3dB)
能率:87dB
公称インピーダンス:8Ω
推奨アンプ出力:20W – 70W
高さ:250mm 幅:156mm 奥行:211mm
重量:3.7kg
カラー:ウォルナット/ブラックアッシュ/ライトオーク
Cambridge Audio (ケンブリッジオーディオ) SX-50 / 2万円台
2万円台でおすすめできるスピーカーです。
音の輪郭のシャープさは今一つですが全体のサウンドバランスがまとまっています。
ピントが少し甘い感じでそれがリラックスして聴ける雰囲気にもつながります。
私は良くも悪くも目立つところがない音質だと思いましたがそれがハマるシチュエーションも確実にあります。
しっかりと細かい音まで追いかけて聴くというよりBGM的な使い方におすすめです。
スペック周波数レスポンス:50Hz ~22kHz(±3dB)
能率:87dB
公称インピーダンス:8 Ω
推奨アンプ出力:10W – 100W
高さ:161mm 幅:225mm 奥行:240mm
重量:3.4kg
予算10万円以下のおすすめスピーカー
B&W(Bowers & Wilkins)606 / 8万円台
606は大きめサイズのブックシェルフスピーカーです。
価格に対しての音のクオリティーが非常に高く人気のあるモデルです。
全体的にバランスよく、サイズに余裕があるので低域の量感は十分です。高音も美しく、解像度が高くてクリアな印象です。
例えば初めての本格的なオーディオデビューや安価なスピーカーからの買い替えであればとても満足度の高い結果が期待できます。
このサイズであれば十分に広い空間をカバーできるのでリビングルームのオーディオにもおすすめです。
スペック
周波数レスポンス:52Hz ~28kHz(±3dB)
能率:88dB spl (2.83Vrms, 1m)
公称インピーダンス:8Ω(最小3.7Ω)
推奨アンプ出力:30W – 120W
高さ:345mm 幅:190mm 奥行:300mm
重量:6.9kg
カラー:ブラック/ホワイト
KEF Q350 / 6万円台
KEFのQ350は音の帯域バランス、自然なサウンド、空間表現が優れているスピーカーと感じました。
多数のスピーカーと切り替えながら一聴した時には個性が目立たず、第一印象はあまり強くなかったです。逆に言うとフラットに近いバランスでしっかりと鳴っていることの証明にもなります。
流し聞きではなくしっかりとセンターポジションでチェックしてみると圧倒的な定位感や自然なサウンドにどんどん引き込まれていきます。「パンチのある音」「濃密な音」「シャープな音」そんな感じではないですが間違いなく「上質な音」と言えます。
スペック
周波数レスポンス:63Hz ~28kHz(±3dB)
能率:87dB spl (2.83Vrms, 1m)
公称インピーダンス:8Ω(最小3.7Ω)
推奨アンプ出力:15W – 120W
高さ:358mm 幅:210mm 奥行:306mm
重量:7.6kg
カラー:ブラック/ホワイト/ウォルナット
DALI(ダリ)MENUET / 9万円台
とてもコンパクトなスピーカーですが濃密でバランスの良い音が出ます。最近の小型スピーカーは設計技術が上がっており十分な低音を出すために大型のキャビネットが必要なくなってきたように感じます。
特に中高音の艶、質感が最高で私の好きな小編成の女性ボーカルものなどはうっとりするような世界に連れて行ってくれます。
芯が通ってキレの良い低音と艶っぽく色気のある中高音がとても気持ち良いスピーカーです。
スペック
周波数レスポンス:59Hz ~25kHz(±3dB)
能率:86dB spl (2.83Vrms, 1m)
公称インピーダンス:4Ω
推奨アンプ出力:20W – 100W
高さ:250mm 幅:150mm 奥行:230mm
重量:4kg
カラー:ブラック/ロッソ/ウォルナット
予算15万円以下のおすすめスピーカー
FYNE AUDIO (ファインオーディオ) F500 / 12万円台
F500はF300の上位シリーズです。音の直進性に優れているようで近くで鳴っているような雰囲気があります。
目の前に音が広がるというよりも音の中に自分が入っているような感覚です。中域、高域共に音の芯が通り前に飛んでくるように感じました。
音の傾向としては明るめのパワー感のある音質で、艶や解像度で美しさを感じるというよりも明瞭で元気の良い音のキャラクターです。
スペック
周波数レスポンス:45Hz ~34kHz(±3dB)
能率:89dB spl (2.83Vrms, 1m)
公称インピーダンス:8Ω
推奨アンプ出力:30W – 120W
高さ:325mm 幅:200mm 奥行:320mm
重量:7.3kg
カラー:ダークオーク/ブラックオーク
F500のレビュー記事はこちら
B&W (Bowers & Wilkins バウワース アンド ウィルキンス) 707 S2 / 14万円台
高音域の華やかさ、瑞々しさが素晴らしく、キラキラした感じだけでなく透明感や色気も感じられます。
小型サイズのスピーカーですが低域の実在感も表現されていて非常に完成度の高いスピーカーです。
デザインも美しくインテリアとしても上質な仕上がりでおすすめです。
スペック
周波数レスポンス:45Hz ~33kHz(±3dB)
能率:84dB
公称インピーダンス:8Ω
推奨アンプ出力:30W – 100W
高さ:280mm 幅:165mm 奥行:260mm
重量:6kg
カラー:ローズナット /ピアノブラック/ マットホワイト
DALI (ダリ) OBERON7 / 14万円台
DALIのOBERON7(オベロン7)は比較的安価な部類のトールボーイスピーカーです。
高音の直進性を示す指向性が広く、スピーカーの中心から多少外れた場所でも音質が破綻しにくいです。
リビングルームでリラックスして映画や音楽を楽しむ場合におすすめです。
音質は多少乾いた感じのボーカルと認識していましたが、自宅で1年ほど使ってみたら高音域に艶っぽさや美しさも出てきて良い感じです。低域の量感も十分でパンチのあるリズム楽器が楽しめます。
スペック
周波数レスポンス:36Hz ~26kHz(±3dB)
能率:88.5dB
公称インピーダンス:6Ω
推奨アンプ出力:30W – 180W
高さ:1,015mm 幅:200mm 奥行:340mm
重量:14.8kg
カラー:ダークウォルナット / ブラックアッシュ / ライトオーク / ホワイト
予算20万円のおすすめスピーカー
MONITOR AUDIO (モニターオーディオ) SILVER100 / 15万円台
キラキラとした質感の美しい高音域が楽しめます。個人的にはホワイトのボディーとウーハーコーンやツイーターのシルバーがスタイリッシュでホワイトが一押しです。
華やかな高音とスピード感を保った気持ちの良い低音。非常にバランスの良いサウンドチューニングです。
スペック
周波数レスポンス:40Hz ~35kHz(±6dB)
能率:88dB
公称インピーダンス:8Ω
推奨アンプ出力:40W – 120W
高さ:375mm 幅:230mm 奥行:300mm
重量:9.3kg
カラー:ブラックオーク / サテンホワイト / ナチュラルオーク / ローズナット / ウォルナット / ハイグロスブラック
Wharfedale DIAMOND 11.4 / 15万円台
明るくメリハリのある音で全帯域が明瞭なサウンドです。
音の密度とパワフルさ、前に出てくる感じがあり聴いていて楽しい音でした。特長として感じたのは中域、高域の豊かな倍音成分でにぎやかな明るい音といった印象です。
私個人の好みとしてはクラシックは滅多に聴かずJAZZ、SOUL、FUNK、ROCK、AOR、POPS、電子音楽などをよく聴いているのでとても相性が良いスピーカーに感じます。
スペック
周波数レスポンス:42Hz ~20kHz(±3dB)
能率:91dB
公称インピーダンス:8Ω
推奨アンプ出力:25W – 175W
高さ:1,010mm 幅:222mm 奥行:358mm
重量:24kg
カラー:ブラックウッド / ローズウッド / ウォルナット
B&W (Bowers & Wilkins バウワース アンド ウィルキンス) 603 / 20万円台
美しい高音とすっきりしたクリアな低音、バランスの取れた上品なサウンドです。
音の粒立ちが良く、またその粒の大きさが大きすぎず最適なサイズに収まります。出しゃばりすぎず、スッキリとした中で感じる高解像度。
凛とした音の中に適度な艶が乗り上品さ、気高さを感じさせます。
くっきり、ハッキリ、B&Wらしい明瞭感もあり見た目も美しく価格を考えると非常に魅力的なスピーカーです。
スペック
周波数レスポンス:48Hz ~28kHz(±3dB)
能率:88.5dB
公称インピーダンス:8Ω
推奨アンプ出力:30W – 200W
高さ:1,055mm 幅:190mm 奥行:340mm
重量:24.5kg
カラー:マット・ブラック / マット・ホワイト
価格別スピーカーのまとめ
他にもおすすめのスピーカーはたくさんあるのでレビュー記事を価格別にまとめてみました。
各スピーカーの仕様、音質レビュー、評価などを記事にしています。
価格帯別に見たい方は下のカテゴリー名をクリックしてください。
最後に
スピーカーについての解説からおすすめメーカー、おすすめのスピーカーをご紹介してきました。
他にも素晴らしいスピーカーはたくさんあるので上の価格別リンクから気になるスピーカーを見つけてください。
また、スピーカーのセッティングについてまとめた記事もありますのでぜひ参考にしてください。
この記事が皆様のスピーカー選びの参考になれば嬉しいです。皆様が良い音楽と過ごせますように。