元オーディオショップ店員のイイネドットミー(@iine_me)です。
DACが欲しくなりいろいろ調べていたら安価な中華DACにたどり着きました。
選択肢はいくつかありましたがTOPPINGのD50Sを購入しました。
音質、機能などをまとめてレビューします。
記事の目次
【中華DAC】TOPPING D50s購入レビュー
TOPPINGとは中国のオーディオメーカーで、いわゆる中華アンプ、中華DACと呼ばれるジャンルの機材を製作しています。
低価格ながら本来は高価な機種で使用されるようなパーツが使われ、高音質な製品が多いです。
特にDACについては非常に評判が良く、前々から気になっていました。
DACとはデジタルオーディオコンバーターの略で、デジタル信号をアナログ信号に切り替える為の機材です。
デジタル信号の入力としてはUSBや光デジタル、同軸デジタルなどがあげられます。
これをRCA端子やXLR端子からアナログケーブルで出力できるようにする為にDACが利用されます。
今回のDAC購入はESS社のDACチップが使われていること、できればBluetooth接続が可能なことを条件としていました。
低価格高音質な中華DACがD50s
接続状況と目的
私の目的としてはamazonのFireTVの音質をアップしたいということでした。
FireTVからプロジェクターへ接続していますが、間にHDMIセレクターというものを使い音声のみデジタル出力しています。
HDMIセレクターは本来は複数のHDMI入力を切替できるようにしたものですが中には音声をデジタル出力可能なものがあります。
AVアンプを使わずにFireTV経由でコンテンツを高音質で楽しみたいときには必要になります。
FireTVからHDMIセレクター、HDMIセレクターから同軸デジタル接続でDENONのPMA-600NEに接続していました。
それでも特に大きな不満はありませんでしたがPMA600NE内蔵のDAC部分を使うよりも単体DACを別途用意するほうが音質アップできると考え購入を検討していました。
また、PMA600NE自体も別のプリメインアンプへと変更を検討していたのでDACが欲しいというのもありました。
HDMIセレクターについては別記事で紹介しています。
【中華DAC】TOPPING D50sの仕様
フロントパネル
フロントパネルは電源ボタンとスイッチ、中央に液晶パネルが配置されたシンプルなレイアウト。
右側のスイッチ、またはリモコンで入力切替とボリュームの調節、7種類のフィルターの切替が可能です。
液晶パネルには中央にボリューム、上部に入力チャンネル、下部にサンプリングレートとビット数が表示されます。
リアパネル
入力端子はUSB、光デジタル(オプティカル)、同軸デジタル(コアキシャル)の3種類、Bluetoothアンテナも付属でBluetooth接続も可能です。
出力端子はRCAのアンバランス接続のみです。
電源はDC5VのACアダプター対応となっています。
ESS ES9038Q2M DACチップを採用
ESS社のDACチップ、ES9038が2つ採用されています。
数年前にOPPOのSONICA DACにES9038PROが採用され、解像度の高さと価格の安さ(当時10万円くらいだった気がします)で世界中で大きなニュースとなり大ヒットしました。
D50Sに採用されているのはES9038PROではなくES9038Q2Mというモデルですが、解像度の高さは感じられます。
私はSONICA DACは所有していませんが、当時はオーディオショップに勤めており試聴時の再生に使っており音質は気に入っていたのでESS社のDACチップを使っているのは購入のポイントとなりました。
ESSのES9038Q2Mをデュアルで採用
Bluetooth5.0対応
CSR8675 Bluetoothチップを搭載しておりLDAC / AAC / SBC / aptx / aptx-LL / aptx-HDに対応しています。
高音質なBluetoothコーデックにも対応できるのは嬉しいポイントですね。
また、Bluetoothを使わないときはメニューの設定からbluetoothモジュール全体をオフにすることもできるようで、ノイズ対策も考えられています。
私のリスニングスタイルでは気軽にスマホからBluetooth接続で楽しむこともあるのでとても助かっています。
Bluetoooth5.0対応で高音質なワイヤレス再生が可能
USB / コアキシャル / オプティカル入力
3系統のデジタル入力が可能ですが、それぞれ対応するサンプリングレートとビットレートが異なります。
USBは32bit/768kHzまで対応していますが同軸と光は24bit/192kHzまでの対応です。
ちなみに手持ちのFireTVをHDMIセレクターから同軸ケーブルで接続すると24bit/48kHzの表示が出ました。
入力端子によって対応できるサンプリングレートが異なる。
【中華DAC】TOPPING D50sの音質レビュー
それでは音質のレビューになります。
今回の比較対象はPMA600NEの内蔵DACとの比較になるので相対的な評価としては条件があまり良くないですが、D50sの音の個性のようなものは十分に感じることができました。
フィルターモードがいくつかありますが私は1番が好みでしたのでその条件です。
D50sからアンプへは手持ちのRCAケーブルで、audioquestのALPHA SNAKEとEvergreen、Tara LabsのPrism300aで試してみました。
Ever Greenは低域がやせすぎて好みではなく、Prism300aはクッキリした解像度の高い音で悪くないですがAlpha Snakeで解像度が少し下がりふっくらした音像が一番好きでした。
D50sの特徴としては全体的に粒立ちが良く、クリアな印象で特に高域の解像度が高く感じます。
固めの音の印象でこのあたりはESS社のDACチップを採用するDACは割とその傾向がある気がします。
音像はコンパクトで立体的ですが接続するRCAケーブルによっては線が細く硬質すぎると感じました。
個人的には固い音をゆるめるのはケーブルや下流の機材の組み合わせでどうとでもなるが、初めからゆるい音を下流で引き締めることは難しいのではないかと思います。
なので高解像度で付帯音が少なくクリアなサウンドは非常に評価できるものでした。
D50sを使うのであれば私は他の機材やケーブルは全てが高解像度なHiFi調のもので揃えるよりも、音の芯やアナログ感、ファットな部分も演出できるような調整をしたいと思いました。
解像度が高くクリアで情報量も多い硬質なサウンドイメージ
【中華DAC】TOPPING D50sの評価
ToppingのD50sは2万円台で購入できる実売価格を考えると完全に価格以上の価値があると思います。
特に高解像度でパキッとHiFi調のサウンドが出るので分りやすく高音質だと感じるタイプのDACだと思います。
これが最高のDACとは言いませんが同価格帯では私が一番おすすめできるDACです。
また、音質レビューの項目でも書きましたが、固めの音をゆるめるチューニングは下流の機材やアクセサリーである程度調整できます。
なので音の上流であるDACに高解像度ですっきりとしたサウンドを持ってくるのはありですね。
総合的に見て脅威のコストパフォーマンスで価値のある製品だと思います。
最後に
近年の中国製品のクオリティーの高さには驚きます。
イヤホンやプリメインアンプなども低価格、高音質なものが多く、今後はさらに技術革新が進んでいくのかなと思いました。
D50sもなかなか大手のオーディオメーカーでは作られないようなニーズを先読みしたおもしろい製品だと思います。
スピーカーやアンプのポテンシャルを引き出すセッティングに関する記事をまとめましたので合わせてご確認ください。
皆様が良い音楽と過ごせますように。