元オーディオショップ店員のばっちゃん(@iine_me)です。イクリプスのタイムドメインスピーカーTD712zMK2の試聴をする機会がありましたので記事にします。個性を感じる仕上がりでした。
記事の目次
ECLIPSE(イクリプス)とは
ECLIPCEとはデンソーテンが手がけるスピーカーブランドです。タイムドメイン理論という再生周波数ではなく時間軸の正確性に重きを置いた理論で生み出されたスピーカーです。設計コンセプトは「良い音」ではなく「正確な音」を求めて作られています。下の動画を見るとなんとなくイメージできると思います。
開発コンセプトは「音の波形の正確な再生」
特徴的なのは卵形の丸い形状です。エンクロージャー内部に平行な面が無いので定在波や共振などが生まれにくく、特定の周波数においてピークやディップが起きにくい設計です。
スピーカーユニットは伝播速度が速く、固有の響きを低減するために内部損失の大きな素材が開発されています。
強力な磁気回路とグランド・アンカー(ユニットの動きを制動する足場)など小さいながらもこだわりが詰め込まれた設計です。
キレの良い明瞭なサウンド
イクリプスのスピーカーが目指す音の明瞭さを説明したのが上のイラストです。
明瞭さ、音の立ち上がり、立下りなどのキレの良さが良く表現されていると思います。実際に音を聴いてみると確かに納得できました。
イクリプス(ECLIPSE)スピーカーTD712zMK2の音質レビュー
動画の中で”オーディオを楽しむのではなく演奏を楽しむスピーカー”と表現されていましたが、確かにそのようなイメージを持ちました。音の立ち上がりが早くとにかく明瞭でクッキリハッキリと再現されています。一言でたとえるなら実物よりもさらに「リアル」な感じです。
マイクは人間の耳以上に感度が良いのでいわゆる自然に聞こえる音よりもさらに解像度が高くしっかりと表現されているように思いました。リアルすぎて違和感を感じるくらいです。このサウンドを聴いて一般的なスピーカーには付帯音があるというのも納得できました。
イクリプス(ECLIPSE)スピーカーTD712zMK2の評価
音源を正確に再現するという意味ではこのタイプのスピーカーが究極の答えになるのかもしれません。
しかし私個人の感覚を正直にお伝えすると「オーディオ」というのはありのままを伝えるだけではなく、音源をより感動的に表現する芸術だと思っています。つまり「ありのまま」以上の世界が存在するのがオーディオの素晴らしいところです。ピントやフォーカスがあっていなくても良い雰囲気で鳴っていればそれもまたスピーカーとしての一つの答えだと思っています。スピーカーに対して何を求めるのかは人それぞれなのであくまでも私の個人的な考えであり全ての方に当てはまる価値観ではないのも十分に理解しております。このスピーカーの特性を理解し、正確さ、リアルさ、解像度の高さを求められる方にとっては唯一無二の選択肢になると思います。
正確無比なサウンド表現
シアターにおすすめ
音楽だけでなくシアタースピーカーとして考えると正確で緻密な表現力は圧倒的だと思います。サイズも比較的小さいものが多いのでイクリプスのスピーカーをリビングシアターに導入すれば最高の音響を構築できるような気がします。おそらく点音源によるこの定位の良さを生かして5.1chなどのシアターシステムを組めば映画を見たときの臨場感はとてつもないものになると思います。
今回はイクリプスの中でもハイエンドなモデルの試聴でしたが、他のグレードのスピーカーも聴いてみたいと思いました。
最後に
今回タイムドメイン理論のスピーカーを初めて体験しました。
確かに今まで知っているようなスピーカーとは雰囲気が違うように感じました。見た目、サウンド共に特徴的なので用途や好みにハマれば非常に魅力的な製品だと思います。
実際に9.2chのシアタールーム仕様も体験しましたが別次元の空間表現力を感じました。機会があればどこかで体験されることをおすすめします。
機材のポテンシャルを引き出すセッティングに関する記事をまとめましたので合わせてご確認ください。
皆様が良い音楽と過ごせますように。