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KEFスピーカー Q350レビュー
KEFとはイギリスの老舗スピーカーブランドです。1961年にレイモンドクック卿により設立されました。
余談ですがKEFのサイトで歴史を感じるおもしろいやりとりを見つけました。
「これは拡声器ですか?」-女王陛下
「ハイファイスピーカーです、陛下」-大英帝国勲章受賞時のレイモンド・クック
まだハイファイスピーカーという概念が無いときから続けているんですね。
1988年からは特徴的なUni-Qドライバーというものを開発しており、これにより点音源の再生を可能にしています。
スピーカーの見た目、設計思想、サウンド共に個性のあるブランドといえると思います。Q350は2017年にリリースされ、3年を経た2020年現在も定番スピーカーとして量販店などでは展示してあるケースが多いです。
KEFスピーカー Q350の仕様
Uni-Qドライバー
特徴的なユニットですが、バス、ミッドレンジのコーンにツイーターを配置しています。
コーンの中心にツイーターが設置されているという点では同軸ユニットですが、前後の距離もハイとローが一致しているのが珍しいポイントです。本来音は前後左右均等に360度の球体状に広がっていくので前後の配置にも気を配るのは論理的だと思います。
この効果により点音源としての再生環境が実現するので空間表現や明瞭なサウンドの再生に有利な構造です。
究極の点音源再生を目指した同軸ユニット
サイズ
重さ 7.6kg
高さ x 幅 x 奥行き : 358 x 210 x 306 mm 362 x 210 x 306 mm (ゴム脚込)
2ウェイバスレフ型
感度 87dB (2.83V/1m)
再生周波数(自由音場) 63Hz-28kHz (±3dB) 周波数特性 42Hz (-6dB)
最大出力 110dB
アンプ入力 15-120W
公称インピーダンス 8 Ohms (最低 3.7 Ohms)
使用ユニット 165mmアルミニウム Uni-Q 25mmベンテッド・アルミニウム・ドーム HF
クロスオーバー周波数 2.5kHz
ブックシェルフスピーカーとしては大き目のサイズです。高さ、幅、奥行きどれも大きいのでデスクトップには向かずしっかりとスタンドに設置したいスピーカーです。
KEFスピーカー Q350の音質レビュー
Q350は音の帯域バランス、自然なサウンド、空間表現が優れているスピーカーと感じました。
多数のスピーカーと切り替えながら一聴した時には個性が目立たず、第一印象はあまり強くなかったです。逆に言うとフラットに近いバランスでしっかりと鳴っていることの証明にもなります。
流し聞きではなくしっかりとセンターポジションでチェックしてみると圧倒的な定位感や自然なサウンドにどんどん引き込まれていきます。「パンチのある音」「濃密な音」「シャープな音」そんな感じではないですが間違いなく「上質な音」と言えます。
周波数レンジは特に強調されているところがないので低域に関してサイズの割にそこまで伸びていない印象を持ちましたがオーディオルームや自宅でセッティングをあれこれいじった訳ではないのであくまでも同じ棚に並んだ他社製品と比べた結果です。セッティングやアンプとの組み合わせで十分調整できる範囲かなと思いました。
また、今思えばローは伸びているけど低域のアタックの部分など小さなスピーカーで「低音出ている風」にするために強調されている部分がフラットになっていただけかもしれません。(もっといろいろなソースで確認すれば良かったなと少し後悔しています。)
ゆったりとリラックスして聴けるバランスの良いサウンド
KEFスピーカー Q350の評価
実売価格はペアで6万円台~と圧倒的なコストパフォーマンスを感じます。ブックシェルフにしては大型のサイズなので、リビングなどある程度の広さがある場所にも合うのではないでしょうか?
10万円以下の予算でスピーカーを検討されている方には一度聴いて欲しい製品です。
最近のスピーカーはシャープで解像度を高めたサウンドに寄りがちな傾向を感じます。もちろんそれも一つの到達点ですし現代的なサウンドともいえますがそんな中で自然なサウンドで独特なキャラクターを持つQ350は嬉しい選択肢だと思います。
もちろん解像度が低いということは全くなく、微細な情報もしっかりと描く描写力も兼ね備えています。
機会があれば店舗にてご試聴されることをおすすめします。
KEFスピーカー Q350におすすめのプリメインアンプ
marantz(マランツ) PM6006
ナチュラルで色付けの少ないQ350なので同じくフラットですっきりとしたサウンドのマランツPM6006とは相性が良いと思います。価格も4万円程度なのでスピーカーと合わせて10万円と少しで揃えることができます。内部構造がしっかりしているコストパフォーマンスに優れたアンプです。
PM6006の個別レビュー記事はこちら
DENON(デノン) PMA-600NE
低域の量感を補完するならDENONのPMA-600NEがおすすめです。鮮やかにクッキリと描く描写力とキックやベースのアタックを歯切れ良くタイトに押し出すパワー感。
非常に気持ちよく楽しく音楽を奏でます。価格も3万円台と信じられないコスパです。
PMA-600NEの個別レビュー記事はこちら。
最後に
KEFのスピーカーの特徴でもあるUni-Qドライバー。
音像がビシっと定位する様はとても気持ちよかったです。定位の良さはブックシェルフの特性も加味されているのでQシリーズのトールボーイタイプよりも良いのかなと想像します。価格とサウンドを比較するとかなり魅力的なスピーカーの一つです。
今お持ちのスピーカーやアンプも使い方次第でさらに良い音を楽しめるかもしれません。ポテンシャルを引き出すセッティングに関する記事をまとめましたのでぜひ合わせてご確認ください。
皆様が良い音楽と過ごせますように。