元オーディオショップ店員のイイネドットミー(@iine_me)です。
今回はB&Wのトールボーイスピーカー 603のレビューです。
B&Wの中ではエントリークラスの600シリーズですがさすがの出来でおすすめできるスピーカーです。
B&W(Bowers & Wilkins)603試聴レビュー
オーディオメーカーとして確固たる地位を築いた「B&W(Bowers & Wilkins)」のトールボーイスピーカーです。
B&Wはオーディオファンの中でも非常に評価の高いブランドで高解像度、ハイスピードな音作りに定評があります。
上位モデルになるにつれてより写実的で響きの美しさが増します。私のイメージとしてはF1カーのような存在です。
603は2018年にリリースされたトールボーイスピーカーで、キャビネットのカラーはブラック・ホワイトの2色です。
B&Wは象徴的な黄色いケプラーコーンが特徴でしたが、8年の開発期間を経てフラッグシップモデルの800 シリーズ Diamondの為に開発されたコンティニュアムコーンが使われています。
ブランドラインナップは上位機種から800シリーズ→700シリーズ→600シリーズとなります。
600シリーズはコストパフォーマンスに優れたエントリーモデルですがしっかりと鳴らせば素晴らしい音で楽しむことができます。
600シリーズのトールボーイ。非常に美しいサウンドが楽しめるスピーカー
B&W(Bowers & Wilkins)603の仕様
デカップリングダブルドーム・トゥイーター採用
~33kHz(-6dB )までの周波数レンジに対応するツイーターを採用しています。正確でフラットな特性で適度な艶も感じます。
上位機種の700シリーズとの構造的な違いとしては600シリーズのアルミドームツイーターを表と裏からカーボンでコーティングしたものが700シリーズのカーボンドームツイーターです。
超ハイスピード高解像度とは言えませんがピリッとしすぎず適度にリラックスしながら聴けるバランスだと思います。
700シリーズのカーボンドームツイーターになるとさらにシュワシュワと細かい音の粒が高域に感じられるようなイメージでこの成分がオーディオにおける鳥肌体験の素になっているような気がします。
価格差も大きいですがやはり700シリーズは抜群に良いです。
しかし603も本当に素晴らしくこの仕上がりでこの価格であれば本気でおすすめできるスピーカーです。
クリアで澄んだ高域表現を可能にするアルミドームツイーター採用
Continuum™コーン(コンティニュアムコーン)ミッドレンジドライバー
コンティニュアムコーンの採用により情報量が多くスピード感のある中低域が表現可能です。現代的で写実的な描写をしていると思います。雰囲気で聴かせるタイプではなく細かいところまで描く能力があります。
B&Wは黄色のケプラーコーンでしょという方もいらっしゃるかもしれませんが私は見た目もクールで好みです。
特に603はホワイトのエンクロージャーの仕上げが美しくコーンとの相性も良いと感じました。
(ブラックの方が人気ありそうですが白いスピーカー好きなんです。。)
今時のスピーカーらしい設計で細かいニュアンスまで再現します。
仕様
特長
デカップリングされたダブルドーム・アルミニウム・トゥイーター
Continuum™コーンFST™ ミッドレンジ
ペーパーバスコーン
Flowport™
タイプ
3ウェイベント型システム
ドライブユニット
1x ø25mm(1インチ)アルミニウムドーム 高周波
1x ø150mm(6インチ)Continuum™コーンFST™ ミッドレンジ
2x ø165mm(6.5インチ)ペーパーバス
周波数レンジ
-29Hz~33kHz(-6dB)
周波数レスポンス
48Hz~28kHz( ±3dB)
感度
88.5dB spl (2.83V, 1m)
高調波歪率
2次及び3次高調波 (90dB、1m)
<1% 90Hz – 22kHz
<0.5% 120Hz – 20kH
公称インピーダンス
8Ω(最小3.0Ω)
クロスオーバー周波数
400Hz、4kHz
推奨アンプ出力
8Ωでクリップしていないプログラムで30W – 200W
外形寸法
高さ:985mm(キャビネットのみ)
1055mm(プリンス含む)
幅:190mm(キャビネットのみ)
320mm(プリンス含む)
奥行:340mm
370mm (プリンス含む)
正味質量
24.1 kg
キャビネット仕上げ
ブラック
ホワイト
グリル仕上げ
ブラック
グレー
B&W(Bowers & Wilkins)603の音質レビュー
発売からレビューまでかなり時間が空きましたが実は以前に量販店で試聴したことがあり、その時は上位機種の700シリーズとの差を感じ正直あまり良いスピーカーとの認識がありませんでした。
試聴環境も良くなかったのだと思います。。。
なぜ今回記事にしたかというとTEACのプリメインアンプAX505との組み合わせでしっかりと聴く機会がありその印象が一変したからです。
イメージであまり期待してなかったのですが再生が始まりすぐに美しい高音とすっきりしたクリアな低音、バランスの取れた上品なサウンドに驚きました。瞬間的に「良い!!」と感じます。
JBLのSTUDIO698やMONITOR AUDIOのSILVER300も合わせて聴いてみましたが個人的には一番好みのプロポーションです。
それぞれに良さがありますが603の一番の特徴としては音の粒立ちが良く、またその粒の大きさが大きすぎず最適なサイズに収まっていました。
出しゃばりすぎず、スッキリとした中で感じる高解像度。
凛とした音の中に適度な艶が乗り上品さ、気高さを感じさせます。
くっきり、ハッキリ、B&Wらしい明瞭感もあり見た目も美しく価格を考えると非常に魅力的なスピーカーです。
凛とした気品を感じられるスピーカー
B&W(Bowers & Wilkins)603の評価
これは文句なしにおすすめのスピーカーの一つです。
最近はトールボーイよりブックシェルフの方が売れやすい傾向ですが設置スペースやお部屋の広さの問題なのでしょうか?
デスクトップオーディオでデスク上にしか置けなかったりリビングでどうしてもテレビ台の上しか設置ができないのであればブックシェルフ一択ですがそうでなければスピーカースタンドを使いブックシェルフを設置するのとトールボーイを設置するのでサイズは変わりません。
サウンドステージの大きさや定位感などトールボーイとブックシェルフでは音楽の表現の仕方が違うのでそれぞれに良さがあります。
しかし私はある程度のお部屋の広さがあったりリビングで使うならトールボーイが最高なのでは?と思います。
同シリーズでもトールボーイを選ぶと価格差はありますが満足度も高いと思います。
現在603はペアで20万円台で買えますがこの価格では非常におすすめできるスピーカーです。
興味のある方はぜひご試聴されることをおすすめいたします。
B&W(Bowers & Wilkins)603におすすめのアンプ
TEAC AX-505
音質レビューの項目にも書きましたがAX-505との組み合わせは最高でした。
もう完成されたサウンドと言えるかもしれません。
うまく買えればスピーカーとプリメインアンプ合わせて35万円ほどで収まると思いますがサウンドはそれ以上のクオリティーになります。
最後に
B&W 603は素晴らしいサウンドを奏でるスピーカーです。上品で美しい音と見た目は所有する喜びも溢れます。
しかしせっかくの機材も使い方次第で出る音は変わってしまいます。
スピーカーやアンプのポテンシャルを引き出すセッティングに関する記事をまとめましたので合わせてご確認ください。
皆様が良い音楽と過ごせますように。