元オーディオショップ店員のイイネドットミー(@iine_me)です。
家電量販店でふらっとオーディオコーナーの前を通った時にMENUET SEが鳴っていました。
小さなボディーから大きめの音量を出していましたが、しっかりと気持ちの良い音が出ていたので今回記事にしました。
記事の目次
DALI(ダリ)MENUET SE (メヌエットSE) 試聴レビュー
20年以上続くロングセラーシリーズMENUETのスぺシェルエディション(SE)が2020年3月にリリースされました。
上の画像は歴代のMENUETシリーズで左から右に向かって新しいモデルが並んでいます。
通常のMENUETも2015年のリリースから現在も売れ続けている人気スピーカーですが、表面の仕上げと内部をブラッシュアップし見た目、音質ともに大きくグレードアップした今作は小型ブックシェルフスピーカーの可能性を飛躍させたモデルと言えます。
高級感のある仕上げと回路の見直しによる音質向上が実現したSEモデル
ノーマルMENUETのレビュー記事はこちら
DALI(ダリ)MENUET SE の仕様
ワイルド・ウォルナット・ハイグロス仕上げ
サイズ、レイアウト的な見た目は通常モデルと同じですが表面の仕上げが違い圧倒的な高級感があります。
外装はワイルドウォルナットの突板でハイグロスを何層にも塗り重ね、強い光沢のある鏡面仕上げになっています。
通常モデルのマットな表面加工との差が見た目の高級感と共に艶のある音質へと進化させています。
木材はウォルナット・パールと呼ばれる木材で木の根元に現れるコブのような部分を切り出したもので高級車のダッシュボードや高級楽器に使用される希少なものです。
天然の木材なので一つとして同じ杢目が無く、音響特性のマッチングを重視してLRのペアリングが行われているようです。
美しい天然の杢目のスピーカーは工業製品であり工芸品でもある芸術品ですね。
インテリアとしても非常にレベルの高いプロダクトです。
一枚板の家具のような杢目とハイグロス仕上げの高級感
ネットワーク回路をブラッシュ・アップ
上の画像は上段がノーマルMENUETのネットワークとスピーカーターミナル、下段がMENUET SEのネットワークとターミナルです。
内部配線は一般的な銅線から銀メッキ加工の無酸素銅へと変更され、ネットワークを固定するボードはハードボードからより堅牢なベークライトボードにアップグレードされました。
コンデンサーは高域、低域共に汎用の電解コンデンサが使われていましたが高域はドイツMundorf社のフィルム・コンデンサに、低域用もMundorf製の高級電解コンデンサへと変更されました。
スピーカーターミナルも従来モデルではDALIの上から2番目のグレードRUBICONシリーズのものが採用されていましたがSEでは最上位モデルEPICONグレードのものが使われています。
MENUET SEはデザインはそのままに音に影響する部分は全てアップグレードされています。
外見だけでなく中身もしっかりブラッシュアップ
仕様
周波数特性(±3dB) 59~25,000Hz
入力感度(2.83V/1m) 86.0dB
インピーダンス 4Ω
推奨アンプ入力 20~100W
クロスオーバー周波数 3,000Hz(2Way)
ツィーター 28㎜ソフト・ドーム
ミッドレンジ/ウーハー 115㎜ローロス・ウッドファイバー・コーン
エンクロージャー・タイプ バスレフ型(リアポート)
ターミナル シングル
外径寸法 H×W×D(㎜) 250×150×230
本体重量(1本分) 4.0Kg
付属品 サランネット・ラバーフット
DALI(ダリ)MENUET SEの音質
今回はMENUET SEを試聴しようと決めて聴いた訳ではなく、オーディオコーナーで初めから音が鳴っていました。
どのスピーカーかなと探したらたまたま鳴っていたのがMENUET SEでした。
正直このサイズのスピーカーから鳴っている音とは思っていなかったので少し驚きました。
具体的にはしっかりと音の芯が通っていて低域も締りが良くキレの良いサウンドです。
音の輪郭もスピーカーのサイズ以上に分厚く、サウンドステージも広めです。
通常版のMENUETも美しいサウンドが魅力的ですが、印象としてはそこに力強さと厚みが加わったイメージです。
残念ながら通常のMENUETは展示が無かったので同一条件で聴き比べることはできませんでしたが、私の記憶の中の音との比較では大分違いました。
アンプの切り替えをお願いしたところ店員さんのミスで切り替えた瞬間かなり大きめの音量が出てしまいました。
さすがにサイズ以上の音量を求めると破綻してしまいますが、小さめの部屋やデスクトップ、書斎などでは丁度良い音量で最高のサウンドが得られると思います。
高音は解像度やスピード感で攻めるタイプではなく、しっとりとした表現です。
相対的に中低域の分厚い音の輪郭が良い感じに馴染み気持ちの良いサウンドに仕上がっています。
見た目に似合わずパワフルで押し出しの強いチューニング
DALI(ダリ)MENUET SEにおすすめのアンプ
TEAC AX-505
コンパクトなMENUET SEとAX-505を組み合わせて最強のデスクトップオーディオ環境を作るのはどうでしょうか?
音質的にはニアフィールドでなくてももちろん十分なクオリティーが発揮できます。
SOULNOTE A-1
A-1の密度が濃く美しいサウンドとMENUET SEの組み合わせは相性が良いと思います。
濃密で艶のある表現でうっとりする世界に浸れるサウンドが期待できます。
価格帯別アンプ一覧
他にもおすすめのアンプはたくさんあるのでレビュー記事を価格別にまとめてみました。
参考になれば幸いです。
DALI(ダリ)MENUET SEの評価
元々人気のノーマルMENUETが約10万円の実売価格、MENUET SEが20万円弱と倍ほどの値段がつけられています。
音質の向上は確かに感じますが価格差を考えると音質だけで言えばそこまで大きな違いがあるか微妙だと思います。
音質よりもキャビネット表面の材質や仕上げの違いによる高級感の差は大きく、所有する喜びやインテリアとしての存在感まで含めて納得できるプライシングと感じました。
スピーカーはただ音楽を鳴らすためだけの道具ではなく、存在そのものが空間の一部となり生活に潤いを与えてくれるものです。
そういった点では非常に評価できるモデルだと思います。
高級なのは音質だけではなくインテリアとしても極上の存在感
最後に
通常版のMENUETも素晴らしいスピーカーですがSEになったことによってすべてがワンランク上の仕上がりになっていました。
最初に選ぶスピーカーというよりもいろいろなものを経験したオーディオ好きの方に響くようなプロダクトかなと感じました。
こういった選択肢も増えてくるとオーディオ業界が盛り上がってくると思います。
スピーカーやアンプのポテンシャルを引き出すセッティングに関する記事をまとめましたので合わせてご確認ください。
皆様が良い音楽と過ごせますように。