元オーディオショップ店員のばっちゃん(@iine_me)です。今回はTEACのコンパクトなプリメインアンプAX-505の紹介です。価格、音質面で注目のプロダクトです。
記事の目次
TEAC(ティアック) AX-505はコスパの良いプリメインアンプ
TEACから2019年にリリースされたコンパクトサイズのプリメインアンプAX-505の紹介です。TEACでは以前からA4サイズの製品を開発しており高解像度でクールな印象のプリメインアンプAX-501-SP(2015年発売)やUSB‐DAC機能を搭載したAI-503(2017年発売)など同サイズの機種を出していましたが、今回の505は純粋なプリメインアンプです。サウンドはAX-501しか聞いたことが無かったのですが以前のモデルでも結構印象が良かったので楽しみにしていました。
TEACではReferenceシリーズと題して同サイズのネットワークプレーヤーやDACもリリースしています
TEAC AX-505の仕様
フロントパネル
画像で見ると割と大きそうですが実物で見ると結構小さいです。天板がA4のコピー用紙サイズですが高さもコンパクトに抑えられているのでデスクトップオーディオにぴったりだと思います。このシリーズのトレードマークでもあるVUメーターが素敵ですね。メーターのON/OFFや感度も変えられるのでスピーカーの能率や音量に合わせて調整が可能です。ライトの明るさ調整やOFF機能もあるので真っ暗な環境にしたいときも安心です。BluetoothやUSB-DAC機能の無い純粋なプリメインアンプで音質に特化させるという意気込みが伝わってくるようですね。
リアパネル
特徴的なのはXLRのバランス入力を備えている部分ですね。また、AX-501-SPに比べてLINE入力端子のLRの距離が大きくとられていたり、スピーカー出力端子が互い違いに配置されていたりと工夫を感じます。コンパクトな機器でありがちなのが端子の距離が近くてケーブルの抜き差しに苦労すること。。これならいかついケーブルやコネクタでも安心です。
オランダHypex社製アンプモジュールNcoreを採用
MARANTZのPM12にも採用され音質に定評のあるパワーアンプモジュールのNcoreですがAX-505ではTEAC専用のチューニングが施されたものが使用されています。基盤の右下に「TUNED BY TEAC」と記されています。コンパクトなサイズながら130W + 130W(4Ω)の高出力と低発熱を実現しています。このアンプの心臓部であり音質を左右するコアのパートです。
仕様
アンプ部 | |
実用最大出力 | 130W + 130W (4Ω、1kHz、JEITA) 90W + 90W (8Ω、1kHz、JEITA) |
定格出力 | 115W + 115W (4Ω、1kHz、THD 0.8%) 70W + 70W (8Ω、1kHz、THD 0.8%) |
全高調波歪率 | 0.002% (8Ω、1kHz、12.5W、JEITA) |
S/N比 | 110dB (8Ω、1kHz、IHF-A) |
周波数特性 | 10Hz~50kHz (-5dB、8Ω、1kHz、1W、JEITA) |
ダンピングファクター | 370以上 JEITA (20Hz-20kHz、出力インピーダンス:22mΩ、負荷抵抗:8Ω) |
入力部 | |
LINE入力(バランス) | |
コネクター | XLR(2番 HOT) × 1系統 |
最大入力レベル | 3Vrms |
LINE入力(アンバランス) | |
コネクター | RCA(金メッキ) × 3系統 |
最大入力レベル | 2.5Vrms |
スピーカー出力部 | |
コネクター | AWG8対応スクリュー式端子 × 1組(金メッキ、バナナプラグ対応) |
スピーカー適合インピーダンス | 4Ω~8Ω |
ヘッドホン出力 | |
コネクター | 3.5mm 4極ミニジャック |
接続方式 | グランドセパレート |
最大出力 | 360mW + 360mW (32Ω負荷、THD 10%、JEITA) |
周波数特性 | 5Hz~150kHz (-3dB) |
歪率 | 0.003% (出力30mW 32Ω負荷) |
S/N比 | 115dB |
電源 | AC100V、50/60Hz |
消費電力 | 110W |
待機時消費電力 | 0.1W以下 (オートパワーセーブモード作動時) |
外形寸法 | 290 (W) x 81.2 (H) x 264 (D)mm (突起部を含む) |
質量 | 4.2kg |
付属品 | 電源コード、リモコン(RC-1332)、リモコン用乾電池 (単4) × 2、取扱説明書 (保証書付) |
ダンピングファクターが370以上で大型のスピーカーも駆動できそうです。(以前有名なあるメーカーの担当の方に聞いたことがありますがダンピングファクターの数値が高いと低音の制御がうまくできるそうです)
ヘッドフォン端子もグランドセパレート方式で高品質なものが採用されていますのでヘッドフォンアンプとしても使え、デスクトップオーディオには最適だと思います。
TEAC AX-505の評価
透明感がありクリアな音質とパワーを兼ね備え各方面で評判です。この価格で(実売13万円前後)このサウンドが手に入るので購入して後悔することは無いと思います。ボリュームノブの質感や見た目もVUメーターがあったりマニア心をくすぐる仕上がりで所有することの喜びもあります。このサイズ感でここまでの音質が出せる機種は今のところ知りませんので設置条件でコンパクトなデジタルアンプや以前の機種をお使いの方にはぜひ乗換えを検討していただきたいです。
TEAC AX-505の音質レビュー
一言で言うなら本格的!どうしてもコンパクトな見た目から平面的で芯の細い音を想像しがちですが、フルサイズの大き目のアンプと比べても全く遜色ないと感じました。低域から高域まで解像度が高くクリアなサウンドはもちろんですが、音に艶とコシもありハイエンド機器で感じられる空気感もあります。バランスもよくフラットな傾向に感じました。ストレートなバランスで音楽を楽しみたい方にはかなりハマると思います。大きなアンプやスピーカーがオーディオルームに鎮座する光景はオーディオ好きにとってはたまらないものですが、現代の住宅事情やデスクトップオーディオ、ヘッドフォンやイヤホンの盛り上がりを考えるととても時代にマッチしたプロダクトだと思います。しかし決してサイズだけに特化しているわけではなくスペース的にフルサイズのアンプが置ける場合でも同価格帯のプリアンプと比べた場合には音質面でも優れていることが多いと思います。ただしこのくらいのクラスはどのメーカーも開発に力を入れているので単純に優劣はつけがたく音の好みの問題が大きいです。購入前にいろいろなアンプの比較試聴ができるといいですがその場合は選択肢の一つに入れることをおすすめします!
TEAC AX-505におすすめのスピーカー
AX-505のサウンドが好きな方はバランスの取れた音がお好みかと思います。サイズ的には大型のスピーカーも十分に鳴らせると思いますがこんなスピーカーが合うんじゃないかと独断でおすすめさせていただきます。
DALI(ダリ)MENUET(メヌエット)
コンパクトで音の良いスピーカーのMENUETを合わせればスモールシステムで満足度の高い組み合わせができます。デスクトップオーディオとしてはひとつの完成系とも言えると思います。メヌエットに関しては個別記事もありますのでよければご覧ください。
Wharfedale(ウァーフェデール)DIAMOND 11.4
イギリスの名門オーディオブランド、ウァーフェデールのトールボーイスピーカーDIAMOND11.4です。2017年リリースと割と新しいスピーカーですが低価格ながら高音質で人気です。中高音に透明感や艶が感じられるのでAX-505との相性も良いと思います。透き通った美しい音色が好きな方におすすめです。
B&W 704S2
大好きなB&Wのトールボーイスピーカーです。ツイーターが秀逸でみずみずしく鳥肌の立つ音を奏でます。割とアンプを選ぶというかある程度のクオリティーが求められます。通常は価格的にもうワンランク上のアンプが合わせられることが多いと思いますがAX-505であれば問題ないのではと思えます。見た目、音質ともに最高です。サイズもコンパクトなトールボーイなのでAX-505と704S2がさらっとリビングに置いてあったりしたらめちゃくちゃハイセンスでおしゃれですね!
最後に
コンパクトで高音質、見た目も素敵なプリアンプの需要は結構あるんじゃないでしょうか?ここまで完成度の高い音をそれなりの価格で手にできるのは現代の技術力があってこそだと思います。このブログのコンセプトはコスパ良く感動できるオーディオの紹介なのでこのプロダクトはぴったりでした。タイミングがあえばTEACさんで貸し出しもされているようなのでチェックしてみてくださいね。
スピーカーやアンプのポテンシャルを引き出すセッティングに関する記事をまとめましたので合わせてご確認ください。
皆様が良い音楽と過ごせますように。