元オーディオショップ店員のイイネドットミー(@iine_me)です。
DENONのデザインシリーズのコンパクトなプリメインアンプ「PMA-150H」のレビューです。
記事の目次
DENON(デノン)プリメインアンプPMA-150H試聴レビュー
PMA-150Hは2019年にリリースされたプリメインアンプです。
DENONのデザインシリーズというコンセプトモデルの最新機種です。
デザインシリーズは過去に「PMA-30」「PMA-50」「PMA-60」がリリースされておりモデルチェンジの度に音質も進化してきました。
PMA-60も現役で販売されており、PMA-150Hは単純にモデルチェンジではなく、音質面の改善+新たな機能も追加されています。
新たな技術を盛り込んだデザインシリーズのフラッグシップモデル。
DENON(デノン)プリメインアンプPMA-150Hの仕様
フロントパネル
センターの液晶ディスプレイはPMA-60に比べて大きくなり視認性が向上しています。
ボリュームノブ、ヘッドホン出力、USBの入力端子の他、セレクトボタンが配置されたシンプルなデザインです。
ディスプレイの大型化でソースの確認が容易
リアパネル
USB-DAC内蔵なのでUSBポートの他、コアキシャル、オプティカルのデジタル入力、有線、無線LANなど様々なフォーマットに対応しています。
アナログ入力とスピーカー出力端子はPMA-60と同じような感じですが以前PMA-60を使用していた筆者としてはもう少し端子同士のスペースがあるとケーブルの抜き差しがしやすいなと思います。とは言えボディー自体が小さいのでうまくレイアウトされていると思います。
コンパクトボディーながら多彩な入力フォーマットに対応
BTL構成を採用した「DDFA™」搭載Class Dパワーアンプ
増幅回路はQualcomm®(クアルコム)のデジタルアンプソリューション「DDFA」を採用しています。
DDFAは「PMA-60」と同じですがPMA-150Hでは2つのパワーアンプで駆動するBTL構成となっています。これにより大きな駆動力と低ノイズを実現しています。
フルデジタル・プロセッシング
フィードバックの過程でデジタル→アナログの変換が行われる一般的なデジタルアンプに対してDDFAはデジタル信号のまま処理が行われます。フィードバック(帰還)をシンプルに説明すると信号増幅前の入力信号と増幅後の出力信号の波形を比べ、歪を補正する工程です。
全ての工程をデジタル信号のまま行うことにより、ノイズの影響を受けず、恐ろしいほどの低歪(THD(全高調波歪)は銀行の普通預金の金利と同じ0.001%、笑)で信号を処理することができます。
フルデジタル処理により実現した低歪
高音質ヘッドホンアンプ
製品の特性上デスクトップオーディオ用途の使い方が想定されますがヘッドホンアンプ部分もしっかりとブラッシュアップされています。PMA-60と比べて出力は5.5倍に強化され、ハイインピーダンス機器にも対応できるよう3段階のゲイン切り替えも可能です。
ボリュームノブを回しすぎるとヘッドフォンからスピーカーに変えた時に不意に大音量が出てしまう危険もあるので手持ちの機材に合わせてゲイン切り替えができるのは嬉しいですね。
ヘッドホン、イヤホンユーザーにも嬉しいヘッドホンアンプ
多彩な入力ソース
HEOSのテクノロジーを搭載しているので専用アプリから各種ストリーミングサービスやネットラジオの再生が可能です。ローカルネットワーク上のミュージックサーバー(NAS / PC / Macなど)やUSBメモリーに保存した音源の再生、スマホからBluetooth接続など、様々なリスニングスタイルに対応しています。
もちろんUSB-DACやデジタル入力にも対応しているのでデスクトップオーディオのハブとして非常に使い勝手の良いプロダクトです。
多彩な入力ソースで便利に使えるマルチプレーヤー
仕様
パワーアンプ部
定格出力 | 35 W + 35 W (8Ω、1 kHz、THD 0.1 %) 70 W + 70 W (4Ω、1 kHz、THD 0.1 %) |
出力端子 | スピーカー:負荷 4 ~ 16 Ω |
全高調波歪率 | 0.002 % (Digital In、定格出力、-3 dB、8Ω、1 kHz) |
S/N比 | 112 dB(Digital In、35 W、8Ω、1 kHz、IHF-A) |
入出力端子
アナログ音声入力端子 | アンバランス入力×2 |
アナログ音声出力端子 | サブウーハープリアウト×1、ヘッドホン出力×1 |
デジタル音声入力端子 | 同軸デジタル入力×1、光デジタル入力×2、USB-B入力×1、USB-A入力×1 |
その他の入出力端子 | Network×1、Wi-Fi / Bluetoothアンテナ端子×2、FMアンテナ端子 × 1、AMアンテナ端子 × 1、IRコントロール出力×1 |
無線LAN
ネットワーク種類(無線LAN 規格) | IEEE 802.11a / b / g / n 準拠(Wi-Fi® 準拠) |
セキュリティ | WEP 64bit、WEP 128bit、WPA / WPA2-PSK(AES)、WPA / WPA2-PSK(TKIP) |
無線周波数 | 2.4GHz / 5GHz |
Bluetooth
バージョン | 4.1 |
対応プロファイル | A2DP 1.2、AVRCP 1.5 |
対応コーデック | SBC |
周波数帯域 / 送信出力 / 通信距離 | 2.4 GHz 帯域 / Class 1 / 約30 m (見通し距離) ※実際の通信範囲は機器間の障害物、電子レンジの電磁波、静電気、コードレスフォン、受信感度、アンテナの性能、操作システム、アプリケーションソフトウェアなどの影響により異なります。 |
チューナー受信周波数帯域 | FM: 76.0 ~ 95.0MHz)、 AM: 522 ~ 1629kHz |
トーンコントロール | BASS(低域): 100 Hz ±8 dB TREBLE(高域): 10 kHz ±8 dB |
外形寸法(W × H × D) | 280 x 164 x 337 mm(アンテナを立てた場合) 280 x 104 x 337 mm(アンテナを寝かせた場合) |
質量 | 5.6 kg |
消費電力 | 65 W |
待機電力 | 0.3 W 5 W (ネットワーク制御 オンの場合) |
付属品 | かんたんスタートガイド、取扱説明書、リモコン、単4形乾電池 × 2、Wi-Fi / Bluetoothアンテナ×2、FM室内アンテナ、AMループアンテナ、IRコントロールケーブル |
DENON(デノン)プリメインアンプPMA-150Hの音質
それでは音質のレビューです。まずバランスの良さとクッキリハッキリと忠実なサウンドを描いている印象を受けました。
以前自宅で使用していたPMA-60ではもう少しパワーが欲しいとかのっぺりして平面的なサウンドだと感じていましたが前後の立体感が出て押し出しも少し強くなったように感じます。
同じDENONで人気のフルサイズプリメインアンプNEシリーズの1600や2500に比べると低域の厚み、密度が不足しますがこれはこれでバランスの整ったサウンドだと思います。
低音楽器のアタックの輪郭は小さめですが前に出てくるので迫力も感じられます。中高域の明瞭感もあり程よく艶の乗った美しいボーカル表現も可能です。
キャラクターとしてはあいまいな表現をするタイプではなく明瞭なサウンドでエッジが立ったシャープな印象です。迫力はありながらも少しすっきりとしたバランスなので個人的に好みのサウンドデザインです。
パワーがあってシャープなサウンド
DENON(デノン)プリメインアンプPMA-150Hにおすすめのスピーカー
B&W 607
コンパクトサイズのブックシェルフスピーカーでキレの良いクリアな中高音が魅力的なスピーカーです。デスクトップオーディオにもおすすめできるサイズ感でPMA-150Hとマッチします。
DALI MENUET
DALIのMENUETはB&Wの607と比べると少し丸みと艶のあるサウンドに感じます。こちらもコンパクトなサイズで質感の高い音が楽しめます。
価格帯別スピーカー
他にもおすすめのスピーカーはたくさんあるのでレビュー記事を価格別にまとめてみました。
参考になれば幸いです。
DENON(デノン)プリメインアンプPMA-150Hの評価
PMA-150Hの実売価格9万円代となります。USB-DAC、ネットワークオーディオにも対応しコンパクトな躯体と使い勝手の良さでオリジナリティーのあるプロダクトだと思います。
特にデスクトップ周りでの使用でその実力が発揮されると思います。音も良く、楽しく音楽が聴けるのでニーズがハマれば最高の選択肢と言えます。
「大げさなシステムは組みたくない」「コンパクトで音の良いシステムが良い」「ソースはPCやストリーミングサービスが多い」などが当てはまる方には非常におすすめの機材です。
多彩な機能と高音質をコンパクトなボディーで実現する実力機
最後に
スピーカーやアンプのポテンシャルを引き出すセッティングに関する記事をまとめましたので合わせてご確認ください。
皆様が良い音楽と過ごせますように。