元オーディオショップ店員のイイネドットミー(@iine_me)です。最近はFireTVの普及や家電のIoT化が進みTVで動画配信サービスを利用する方も増えたんじゃないでしょうか?そんな現代のオーディオ事情にマッチする製品のご案内です。シチュエーションによっては最高の選択肢になると思います!
記事の目次
MARANTZ(マランツ)HDMI搭載プリメインアンプ NR1200試聴レビュー
NR1200はMARANTZから2019年10月にリリースされたネットワークオーディオやストリーミングサービス、映像コンテンツも楽しめるHi-Fiステレオアンプ。
最大の特徴は5系統のHDMI入力を備えAVアンプ的な使い方を想定した上でパワーアンプ回路はフルディスクリート構成の2ch本格オーディオ仕様。
強調したいのはAVアンプのチャンネル数を減らした製品ではなく、あくまでもHifiステレオプリメインアンプにHDMIを搭載した製品ということです。AVアンプユーザーの「こんなにチャンネルいらないんだよね」というニーズではなく、ピュアオーディオユーザーの「HDMI入力も欲しい」「映像も高音質で楽しみたい」という欲求に応えるプロダクトです。
今までこういったコンセプトのアンプは殆ど市場には存在しておらず、かつ非常に潜在ニーズの多いものだと思います。
特にFire TVの出現によりamazon primeビデオやNetflixなどのVODサービスが生活に浸透している現代ではこの製品こそが最も多くのユーザーの評価を得られるものではとすら思えます。
そしてもちろんHDMI入力だけでなくいろいろな使い方ができるので豊富な機能を紹介します。
マーケットニーズにバッチリ応えるコンセプトで人気爆発のモデル
5入力/1出力のHDMI端子を搭載
5系統のHDMI入力(4K/ 60p対応)にARC(オーディオリターンチャンネル)対応のHDMI出力端子があります。これによりHDMIケーブルのみでTVの音声もNR1200経由でスピーカーから再生可能です。
※ARCに対応していることでTVと双方向のやり取りが可能になるのでHDMIケーブル一本でTVの音声が再生できます。ARC非対応のTVの場合はHDMIケーブルの他にNR1200へ音声信号を入力するケーブルが必要になります。
HDMIコントロール機能(CEC)にも対応しているのでTVとNR1200の電源ON/OFFを連動させたりTVのリモコンでNR1200の音量調整をすることも可能です。
これは非常に使い勝手が良く、TVの電源を入れるという最低限の動作だけで高音質のサウンドが楽しめるのは魅力的です。
また、一般的なTVのHDMI入力は2~4程度で、ゲーム機、DVD/ブルーレイレコーダー、FireTV、PC、ビデオカメラなどHDMI出力機器が多い場合は入力端子が不足します。そこでHDMIセレクターが必要な場面もありますが余分な機材を中継することでデータロスのリスクも考えられます。
NR1200には5系統の入力があるのでストレス無くAVライフを送ることができますね。入力チャンネルの切り替えもNR1200のリモコンで一発なので簡単です。
CEC対応で簡単操作。豊富なHDMI入力系統で様々な映像機材に対応。
4K Ultra HD / 60pビデオパススルーに対応
入力が多く使い勝手の良いNR1200ですがもちろん画質にこだわる方にも心配は不要です。HDMI入力は、毎秒最大60フレームの4K映像信号に対応しています。
パススルーとは入力された映像をそのまま出力することですが、ものによっては4K30Pにダウンコンバートした信号しか流せないものもあります。
TVやソースが対応している必要がありますがNR1200を使えば最高の画質で映像も楽しむことができます。
さらに、[ 4K / 60p / 4:4:4 / 24bit ]や[ 4K / 60p / 4:2:0 / 30bit ]、[ 4K / 60p / 4:2:2 / 36bit ]などの映像フォーマットに対応しており、色情報の密度と階調性のなめらかさを両立した映像を楽しめます。
従来のHD映像フォーマットの2倍以上の広色域表現を可能にする「BT.2020」のパススルーにも対応しています。
高音質だけでなく高画質にも対応する安心のスペック
多様なリスニングスタイルに対応
CD、レコードプレーヤーの入力だけでなくワイヤレス・オーディオシステム「HEOS」テクノロジーで様々なネットワークオーディオに対応しています。
ストリーミングサービスのAMAZON Music (HD)、Spotify、SoundCloudなどの定番配信サービズや、NASやUSBの入力も可能です。インターネットラジオやFM/AMチューナーも内蔵でひとまずこれで全て事足りると思います。
Bluetoothの送受信に対応しているのもうれしいポイントで家族が寝てしまった夜間の動画視聴の際にはBluetooth対応ヘッドフォンが使えたりと重宝します。
アナログ入力の拡張性とネットワークオーディオの利便性を両立した機種なので、CDプレーヤー、レコードプレーヤと組み合わせるのも良し、NASと接続したりBluetoooth接続してこれ1台で完結するのも良しと使い方は自分次第です。
ユーザーの多様化するリスニングスタイルに柔軟に対応するマルチな機材
本気のオーディオ仕様
定格出力75W + 75W(8 Ω)のフルディスクリート・パワーアンプを搭載。
AV機器ではなくオーディオ機器としてパーツから吟味してチューニングされています。L/Rチャンネルを左右対称に配置するシンメトリカル・レイアウトにより、チャンネル間の音質差を極限まで排除しています。
左右チャンネルの音質、音量の一致は明確な定位や音声表現には欠かせないものですが実際にはごくわずかな差異が生まれることがあります。こういった細かいチューニングにより実在感がありクッキリとクリアなサウンドを実現しています。
HiFiオーディオとしての音質を兼ね備えたアンプ
MARANTZ(マランツ)HDMI搭載プリメインアンプ NR1200の仕様
フロントパネル
フロントパネルはマランツらしいレイアウトでまとめられています。HDMI入力があっても高さが抑えられているのが嬉しいです。
リアパネル
スピーカー端子はABの2系統用意されているので2chのバイワイヤリングも対応できます。見た目的にも2chのプリアンプにHDMIが追加されたような印象です。電源ケーブルも独立しているので高品質なものに変更も可能です。
高周波ノイズ対策
ネットワーク、USBなどのデジタル回路へは専用のトランスを用いて独立させ電源供給しています。そうすることでアナログ回路にデジタルノイズが干渉することを予防しています。
また、デジタル電源回路の動作周波数を通常の3倍程度の高周波にし、スイッチングノイズを可聴帯域から外しています。シールドやデカップリングコンデンサーを使い電源ラインへのノイズの混入を防ぐなどノイズ対策が様々な箇所に行われています。
HiFIオーディオのフィールドで培われたノウハウが惜しげもなく詰め込まれており、価格帯以上に気合の入った作りこみが伺えます。
コンデンサーなど分かりやすい部分だけでなくビスやワッシャーなども使用箇所に応じてチューニングするこだわり
仕様
定格出力 | “75 W + 75 W (8 Ω、20 Hz 20 kHz、THD 0.08 %) 100 W + 100 W (6 Ω、20 Hz 20 kHz、THD 0.7 %)” |
適合インピーダンス | 4 16Ω |
S/N比 | 98 dB (IHF-A、ダイレクトモード時 ) |
周波数特性 | 10 – 100 kHz ( +1、-3 dB、ダイレクトモード時 ) |
HDMI端子 | 入力×5、出力×1 |
音声入力端子 | アナログ×3、Phono(MM)×1、光デジタル×1、同軸デジタル×1 |
音声出力端子 | 2.2chプリアウト×1、ゾーンプリアウト×1、ヘッドホン×1 |
その他の端子 | “ネットワーク×1、USB(フロント)×1、 Bluetooth / Wi-Fiアンテナ入力×2、 FMアンテナ入力×1、AMアンテナ入力×1、 マランツリモートバス(RC-5)入出力×1、IRフラッシャー入力×1” |
チューナー受信周波数帯域 | FM: 76.0 – 95.0 MHz、AM : 522 – 1629 kHz |
無線LAN(ネットワーク種類 / 周波数) | IEEE 802.11 a/b/g/n準拠(Wi-Fi®準拠) / 2.4 GHz、5 GHz |
Bluetooth | “バージョン 4.1 対応プロファイル A2DP 1.2、AVRCP 1.5 対応コーデック SBC 送信出力 / 通信距離 Class 1 / 約30 m(見通し距離)” |
消費電力 | 210 W |
待機電力 | “0.2 W(通常スタンバイ) 0.5 W(CECスタンバイ)” |
付属品 | “かんたんスタートガイド、リモコン(RC041SR)、単4形乾電池 × 2、 FM室内アンテナ、AMループアンテナ、Bluetooth / Wi-Fiアンテナ×2、 電源コード” |
最大外形寸法 | “W440 x H105 x D378 mm (アンテナを寝かせた場合) W440 x H175 x D378 mm (アンテナを立てた場合)” |
質量 | 7.9 kg |
MARANTZ(マランツ)HDMI搭載プリメインアンプ NR1200の音質レビュー
高機能なNR1200ですが音質にはこだわって設計されています。音質面だけで考えても間違いなく価格以上のクオリティーだと思います。あえて言うならさすがに30万円クラスのアンプには劣りますがオーディオ用途として10万円台の一般的なプリメインアンプと比較しても全く不満ないと思います。チープ感や物足りなさは一切感じません。
音の傾向としては元気が良く、音楽性、実在感を兼ね備えた聞きやすいチューニングです。
特に中低域の粒感やアタック感が好印象でキック、ベースラインなどが非常に心地よく響きます。個人的には映像と合わせて楽しむようなシチュエーションでは特に満足度が高いサウンドバランスかなと思いました。
マランツのプリメインアンプは低音が控えめですっきりとしたバランスの製品が多い印象でしたが、それらのイメージと比べると低域にコシを感じパンチのあるサウンドです。
HDMI搭載の「AVアンプ」のカテゴリーで見れば同価格帯に音質面のライバルはいないと思います。
実売価格が6万円程度と考えると驚愕です。細部までこだわって設計、チューニングが行われているので各帯域の正確な再生能力と左右対称の内部設計による正確な空間表現力は特筆です。
クラスとしてはペアで30万円程度のスピーカーでも問題なく組み合わせることができると思います。
コスパ最高なネットワークオーディオ構築に
MARANTZ(マランツ)HDMI搭載プリメインアンプ NR1200の評価
リビングでの音楽とオーディオヴィジュアルライフに革命をもたらす逸品
ライトユーザーからミドルクラスのスピーカー(30万円程度)をお使いの方まで幅広くおすすめできます。ストリーミングサービス、bluetoothなど気軽に音楽をかけておきたいシーンやテレビ、映画などを満足できるオーディオクオリティーで楽しみたいといったニーズにバッチリです。
現時点ではこの機種以外に見当たらない唯一無二の存在。5.1chなどの本格的なホームシアターは場所の制約や同じくらいのハイクオリティーな音質を目指す場合には金銭的にもかなりの出費を強いられます。トータルで考えてNR1200の人気が出るのも納得です。
リビングの音環境が向上すると生活の質が変わります
MARANTZ(マランツ)HDMI搭載プリメインアンプ NR1200におすすめのスピーカー
NR1200におすすめのスピーカーはリビングで使うことを想定してセレクトします。コスパの良いスピーカーなのでその分良いスピーカーにしたりリビングなので見た目にもこだわったスピーカーがいいですね!
DALI MENUET
木目の付き板仕上げが美しく艶のある中高音が特徴的なブックシェルフスピーカー。サイズからは想像できないくらいの芯の通った低音も持ち味なのでスピード感のあるキレの良いベースラインやキックも楽しめます。個別に紹介した記事もあるのでよければ参考にしてください。
MONITOR AUDIO Silver 50
コンパクトなブックシェルフスピーカーで見た目にも美しくハイセンスなリビングにピッタリです。特に高音域の美しさはすばらしく、HiFiなサウンドを楽しみたい方におすすめです。NR1200との組み合わせではクリアで解像度の高い音で音楽に没頭できます。
DALIダリ OBERON7
広いリビングで迫力のある大きなサウンドステージを楽しみたいならトールボーイタイプがおすすめです。DALIのOBERON7は安価でコスパの良いスピーカーなのでNR1200と合わせることでエントリークラスの価格ながら満足度の高いリビングシアターが完成します。こちらも個別記事があるので参考にされてください。
B&W 704S2
予算が許すならこれを大推薦します!!B&Wの名作スピーカー704S2。乾いた感じも潤いも兼ね備える美しい高音はB&Wの高級ラインでしか表現できない領域かもしれません。欲を言えばさらにグレードの高いアンプを合わせたいところですがAV仕様となるとこの組み合わせはかなりレベルの高いサウンドになると思います。もちろん見た目の美しさやB&Wのブランドもあってリビングに置いて様になるスピーカーです。
最後に
MARANTZから素晴らしいコンセプトの元に開発されリリースされたNR1200の魅力がお伝えできたでしょうか?様々なストリーミングサービスや家電のIoT化に伴いTVやプロジェクターが音楽とより深く関わりリビングで高音質で映像コンテンツを再生するというニーズが高まりました。そんな市場にマッチした作品がNR1200だと思います。導入を検討されている方の参考になれば幸いです。
また、今お持ちのスピーカーやアンプも使い方次第でさらに良い音を楽しめるかもしれません。ポテンシャルを引き出すセッティングに関する記事をまとめましたのでぜひ合わせてご確認ください。
皆様が良い音楽と過ごせますように。