元オーディオショップ店員のイイネドットミー(@iine_me)です。
今回はB&Wの600シリーズの25周年モデルブックシェルフスピーカー「606S2」のレビューです。
前モデルの606もなかなか良かったですがブラッシュアップによりかなり音質アップしていました。
B&W(Bowers & Wilkins)606S2試聴レビュー
オーディオメーカーとして確固たる地位を築いた「B&W(Bowers & Wilkins)」のブックシェルフスピーカーです。
2018年にノーマルモデルの606がリリースされましたが、2020年に600シリーズの25周年を記念したアニバーサリーモデル606S2が発売されました。
高さ:345mm 幅:190mm 奥行:300mm
とブックシェルフとしては大きめで、キャビネットのカラーは旧606のブラック・ホワイトに加えて新たにホワイト×オーク、ブラック×レッドチェリーの2色が追加され合計4種類です。
B&Wは象徴的な黄色いケプラーコーンが特徴でしたが、8年の開発期間を経てフラッグシップモデルの800 シリーズ Diamondの為に開発されたコンティニュアムコーンが使われています。コストパフォーマンスに優れたエントリーモデルですがしっかりと鳴らせば良い音で楽しむことができます。
600S2シリーズの大型ブックシェルフ。価格以上の音が得られる優れた良いスピーカー
B&W(Bowers & Wilkins)606S2の仕様
デカップリングダブルドーム・トゥイーター採用
旧606に採用されていたデカップリング·ダブルドーム·トゥイーター(~33kHz)を改良し38kHzまでの周波数レンジに対応するツイーターを採用しています。
上位機種の700s2シリーズで採用されているカーボンドームツイーターは600シリーズのアルミドームツイーターを表と裏からカーボンでコーティングしたものです。
私の印象としては600シリーズの方がシャキッとした高域で700シリーズはそこに空気感と潤いがプラスされたような音質です。
606s2は解像度が高く非常にクリアな高域が特徴的です。鮮明な高域表現が好みの方にはおすすめです。
ANNIVERSARY EDITIONの文字が刻まれたツイーター
Continuum™コーン(コンティニュアムコーン)ミッドレンジドライバー
コンティニュアムコーンの特徴として正確でクリアな中低域が得られます。
スピード感もあり解像度の高いローミッドがかっこいいです。
今時のスピーカーらしい設計で細かいニュアンスまで再現します。
新開発のクロスオーバー
旧606からアップグレードされたクロスオーバーが採用されています。この変更によりウーファーとツイーターのつながりが良くなり、スピーカーとしての完成度が格段に上がっています。
外から見えない部分なので見た目がほぼ同じなのですが音質は確実なランクアップを感じます。
一番大きく音質に影響するリニューアルポイント
旧603のレビュー記事はこちら
仕様
モデル
606 S2アニバーサリーエディション
詳細
2ウェイバスレフ型
特徴
デカップルドダブルドームアルミニウムトゥイーター
コンティニュアムコーン
フローポート
ドライブユニット
1x ø25mm (1インチ) アルミドームトゥイーター
1x ø165mm (6.5 in) コンティニュアム™ コーン バス/ミッドレンジ
周波数レンジ
-6dB at 40Hz and 33kHz
周波数レスポンス
52Hz – 28kHz ±3dB
感度
88dB spl (2.83Vrms, 1m)
高周波歪率
2次および3次高周波(90dB, 1m)
<1% 100Hz – 22kHz
<0.5% 150Hz – 20kHz
公称インピーダンス
8Ω (最小 3.7Ω)
推奨パワー出力
8Ωでクリップしない状態で30W – 200W
寸法
高さ: 345mm (13.5 in)
幅: 190mm (7.5 in)
奥行: 300mm (11.8 in)キャビネットのみ
324mm (12.8 in)グリルとターミナル含む
正味重量
6.9Kg
キャビネット仕上げ
ブラック、ホワイト、オーク、 レッドチェリー
グリル仕上げ
ブラック、グレー
B&W(Bowers & Wilkins)606S2の音質レビュー
606S2はブックシェルフとしては大きめのスピーカーです。余裕がある分低域の量感もあり、気持ちよく聴けます。
最近のスピーカーは小型でも低音のバランスが良く、うまく低音の芯の部分にフォーカスさせるので不足を感じることはあまりありません。
それでもサイズアップしたスピーカーと比べると大きなスピーカーの方がより自然な表現が可能になります。
中高域の解像度も高く細かい描写力にも優れています。音の広がりと定位間のバランスも良くコスパ的に見ても非常に魅力的なプロダクトです。
全帯域で解像度の高さを感じる高い再生能力
B&W(Bowers & Wilkins)606S2の評価
606S2の価格はペアで12万円です。音質的にはペアで20万円と言われても違和感が無いくらいの仕上がりです。
B&Wは安定した人気ブランドなので販売力のおかげでスケールメリットがあるように感じます。
システムのトータル予算が30万円程度で音質にはこだわりたい。そんな方におすすめしたいスピーカーです。
さすがのB&W。価格と音が一致しないクオリティー
B&W(Bowers & Wilkins)606S2のスタンド
606S2はポテンシャルの高いスピーカーなのでセッティングにも気を使いたいですね。
スピーカースタンドを使うことにより付帯音が軽減され見通しの良いサウンドが得られます。おすすめはB&Wの専用スタンド「STAV24S2」です。
実売価格で2万円台~ととてもお手ごろな価格です。
純正スタンド以外で検討したい方はスピーカースタンドのおすすめ記事を参考にされてください。
B&W(Bowers & Wilkins)603s2におすすめのアンプ
LUXMAN(ラックスマン)L-550AXII
今回606s2試聴に用いたプリメインアンプはどれも相性が良かったですが個人的な好みの順に紹介します。
L-550AXIIはA級動作のプリメインアンプで適度な厚みと艶、色気を感じます。
以前L-505uXⅡのレビュー記事を書きましたがA級のL-550AXIIよりAB級のL-505UXⅡの方がさらに厚みがありました。L-550AXⅡは中低域が程よくシェイプされてレンジは広がり高域の空気感や表現力が抜群でした。
603s2との相性も良く素晴らしいサウンドが得られます。
MARANTZ (マランツ) MODEL30
MODEL30はマランツのニューコンセプトで生まれたプリメインアンプ。中低域の厚みとクリアさが特徴的。
606s2との組み合わせでは全帯域の解像度が高くクリアで存在感のある音の粒が飛び出してきます。
フレッシュで鮮度感のあるサウンドが好きな方におすすめ。
MODEL30の個別記事はこちら
MARANTZ (マランツ) PM-12 OSE
PM-12 OSEはすっきりとした低域とシズル感すら感じられるような瑞々しい中高域が特徴的なプリメインアンプです。
サウンドキャラクターはMODEL30よりもPM-12OSEの方が私の好みに合っていますが606s2との組み合わせではMODEL30の方がバランスが整っているように感じました。
しかし中高域の色気は圧倒的で聴くソースがボーカルものや高域の倍音成分にフォーカスするようなものであればPM-12OSEは素晴らしい組み合わせになります。
価格帯別プリメインアンプ
他にもおすすめのアンプはたくさんあるのでレビュー記事を価格別にまとめてみました。
参考になれば幸いです。
価格帯別スピーカーレビュー
金額に応じてある程度クオリティーの向上が見込まれるのがオーディオ機器です。
必ずしも価格とサウンドが一致する訳ではないですが、予算に応じてスピーカーが選べるように金額別のカテゴリー分けをしています。
他のスピーカーも気になるという方は下のリンクからご確認ください。
最後に
B&W 606S2はこれから本格オーディオを始める方にはおすすめの選択肢の一つです。B&Wというブランドもオーディオ好きにとっては満足度の高いポイントですね!
せっかくの機材も使い方次第で出る音は変わってしまいます。
スピーカーやアンプのポテンシャルを引き出すセッティングに関する記事をまとめましたので合わせてご確認ください。
皆様が良い音楽と過ごせますように。