DENON PMA-NEシリーズ音質比較レビュー(デノン2500NE 1600NE 800NE 600NE)

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こんにちは。

元オーディオショップ店員のばっちゃん(@iine_me)です。DENONのPMA○○NEシリーズの全モデルの音質比較をする機会がありましたのでレビューします。参考になると嬉しいです。

DENON PMA NEシリーズとは

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出典:https://www.denon.jp/

PMA-NEシリーズとはDENONのプリメインアンプのモデルでNEは「ニューエラ」という意味です。2020年2月現在までに「2500NE」「1600NE」「800NE」「600NE」がリリースされています。数字が大きいほど高価格、ハイスペックなモデルとなります。全てのモデルで音の傾向は同じ方向です。低音、特にキックのアタック音の張りや密度感と中高域のビビットで鮮やかな描写が特徴的です。元気の良いサウンドが好みの方にはぜひ試していただきたいシリーズです。この記事ではそれぞれのモデルの音質の比較レビューをしていきます。

DENON PMA-600NEの音質レビュー

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PMA-600NEはNEシリーズの中で最安のエントリーモデル。希望小売価格が52,000円ですが実売価格が3万円台と非常にリーズナブルでコストパフォーマンスが最強のモデルです。シリーズ唯一のBluetooth対応機種でもあります。正直に言うとこの価格でこの音質クオリティーが手に入るのは信じられないです。価格を含めて考えるとこの機種を購入して不満を感じる人はいないように思います。さらに上のクオリティーを目指す欲が出て買い替えることはあると思いますがその場合も素晴らしいアンプという評価のまま手放されることと思います。

800NEとの比較ではサウンドに僅かな差を感じます。音の傾向としては同じですが600NEは高域に少し滲みを感じます。しかし私は600NEを選びました。リビングで気軽にBluetooth接続がしたかったのと価格差なりの質の違いを感じることができませんでした。600NEの方が後発なので開発ノウハウの蓄積やパーツの流用などでコストを抑えることに成功した結果だと思います。

デスクトップオーディオ向けのアンプPMA-60(希望小売価格70,000円)と同一環境で比較しましたが圧倒的に音の密度、濃さが違いました。USB-DAC機能の有無などの違いはありますが単純にサウンドクオリティーではPMA-600NEの圧勝です。
PMA-600NEの個別記事は下記のリンクからどうぞ。

DENON PMA-800NEの音質レビュー

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PMA-800NEは希望小売価格70,000円、実売価格が5万円台。2018年8月発売のモデルです。2019年9月に600NEがリリースされるまではコストパフォーマンスの良いプリメインアンプの代表格と認識していました。600NEとの違いとしてスピーカー出力端子がA/Bの2系統あるのでスピーカーがバイワイヤリング対応の場合は検討しても良いと思います。単純に1系統のみの接続で音質を600NEと比較した場合はそれなりに違いはありますが、個人的には600NEでコスパを楽しむか、1600NEで完全にワンランク上の音を楽しむのがおすすめです。

DENON PMA-1600NEの音質レビュー

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PMA-1600NEは希望小売価格150,000円、実売価格11万円台。2016年11月リリースのプリメインアンプ。600NEや800NEとの大きな機能の違いとしいてはUSB-DACを搭載しています。600NEと800NEの音質の差は僅かなものととらえられなくもないですが1600NEでは明らかにクラスアップを感じます。

注意深く分析してみましたが全体的に締りのあるサウンドになり特に違いを感じるのは高域です。ハイハットやシンバルの響きなどは分かりやすく、下位モデルでは音の輪郭が滲んで広がり「びしゃー」っと濁っていたのがコンパクトにまとまり輪郭もきっちり描写されています。結果として音量を上げてもうるさく感じにくいので全体の音圧を上げることができ、全ての帯域で力強さが向上します。

極端な例えで言うと安いラジカセはシャカシャカして音の密度が薄く、大きめの音量を鳴らすとうるさく感じるのに、しっかりしたオーディオシステムでは同じ音量でも「うるささ」を感じない、といったイメージです。全く同じ音量で比較すると人によっては高域の滲みを「音の広がり」ととらえてしまうこともあるかもしれませんが、気持ちよく聴ける音量を上げられるというのはオーディオにとっては大きなアドバンテージです。

DENON PMA-2500NEの音質レビュー

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最後になりますがPMA-2500NEはNEシリーズのメイン機種、2016年2月にリリースされたプリメインアンプです。希望小売価格は23万円、実売価格18万円代となります。こちらもUSB-DAC機能搭載です。最初に開発され一番こだわりが詰め込まれたモデルでもあります。

音質については圧倒的で、1600NEと比べても全体域の音の密度やスピード感、パワー感など説得力が全く違います。音の粒自体は広がりすぎることもなくしっかり輪郭を保ってまとまっていますがその音の一粒一粒が大きく、さらに中身がぎっしりと詰まっているのを感じます。音の切れ際も良く、低域までしっかりと制動されたキレの良いサウンドです。

私はPMA-NEシリーズのサウンドデザインが大好きで現在は自宅リビングで600NEを使っていますが同じシリーズ内で買い替えるなら1600NEではなく2500NEにします。下位モデルと1600NEでは明らかなランクアップを感じると書きましたが、買い替え費用を考えると私はなんとか600NEで我慢ができます。しかし1600NEと比べても音が出た瞬間に2500NEは別物と認識ができます。価格は2500NEの方が高いですが個人的に感じる魅力は2500NEの方が大きいですしサウンドを聴くと18万円台なら安いと感じます。

オーディオとしてはミドルクラスの価格帯ですがサウンドはかなり良いところまで行っていると思います。少なくとも私にとっては「欲しい」と思わせる魅力が十分に感じられる名作です。

総評

今回、プリメインアンプ以外は全くの同一環境で各モデルを比較試聴することができました。感心したのはそれぞれの音の傾向がしっかりと同じベクトルで作られていることです。アンプは実はスピーカーと同じくらいメーカーやモデル毎のキャラクターの違いがあります。PMA-NEシリーズはキャラクターに一貫性が感じられ間違いなく同一線上のモデルであると言えます。上位モデルになるにしたがって単純に音のクオリティーが上がっていく様は本当によくできているなと感じました。

また、機種を切り替えて試聴を繰り返すうちにあることに気が付きました。下位モデルから上位モデルに切り替えるときと、上位モデルから下位モデルに切り替えるときの印象の違いです。

私の場合は下位モデルから上位モデルに切り替えた時の方が「うわっ!全然違う!」と驚きを感じました。逆に上位モデルから下位モデルに切り替えた場合には「確かに違うけどこの価格でここまで出るのはすごいな(下位モデルに対して)」と思いました。

どのような原理でこう感じるのかは分かりませんが上位モデル→下位モデルの流れで下位モデルのパフォーマンスの高さを感じるのはおそらく全てのモデルのトータルバランス、サウンドチューニングが優れているからだと思います。また、上位モデルに切り替えた時に驚きとともにしっかりと質の向上を感じられるのは、同シリーズ内での買い替えを行った場合の満足度につながるのでユーザーとしては嬉しいポイントです。

以上、かなりの長時間をかけて各モデルを切り替えながらサウンドチェックをした感想です。皆様の参考になれば幸いです。

お持ちのスピーカーやアンプも使い方次第でさらに良い音を楽しめるかもしれません。ポテンシャルを引き出すセッティングに関する記事をまとめましたのでぜひ合わせてご確認ください。

皆様が良い音楽と過ごせますように。